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先発13登板で防御率2.03の投手が得た2年1400万ドルの再契約は、安いのか高いのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
トレバー・ウィリアムズ(ワシントン・ナショナルズ)Sep 27, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 12月31日、ワシントン・ナショナルズは、トレバー・ウィリアムズを2年契約で呼び戻したことを発表した。ESPNなどによると、契約は2年1400万ドルだという。

 ウィリアムズは、2024年に、右腕を痛めて4ヵ月近く離脱したものの、その前後の先発13登板で防御率2.03を記録した。年齢は、4月に33歳となる。

 健康を維持できれば、年平均700万ドルは、安いように見える。2023年は、30試合の先発マウンドに上がっている。

 ただ、2023年の防御率は5.55だ。このシーズンに140イニング以上の76人のなかで、3番目に高かった。また、2023年が144.1イニング、2024年は66.2イニングなので、どちらのシーズンも、1登板平均5イニング前後だ。2024年の13登板中12登板は5イニング以上ながら、6イニングを投げた試合は1度しかなかった。

 スタットキャストによると、4シームの平均球速は、ここ2シーズンとも90マイルに達していない。奪三振率も高くなく、6.92と7.97だ。

 ピッツバーグ・パイレーツ時代の2018年には、先発31登板で170.2イニングを投げ、リーグ7位の防御率3.11を記録しているが、9シーズン中、規定投球回に達したのは、このシーズンしかない。

 こうしたことからすると、今回の契約は、安いとは言い難い。ただ、こちらもスタッツキャストのデータによると、2024年に投球割合を大幅に増やしたスウィーパーは、空振り率45.9%と被打率.135を記録した。来シーズンも、好投を期待できるかもしれない。

 ちなみに、2年前にナショナルズがウィリアムズと交わした契約は、2年1300万ドルだった。今回とあまり変わらない。ウィリアムズは、2023~24年に、先発43登板の211.0イニングで防御率4.44を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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