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受動攻撃(受動的行動と受動的攻撃)

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


「受動攻撃」とは、相手に自分の意志をハッキリと伝えず、やるべきことや言うべきことを放棄することによって、相手を不快にさせることをいいます。

受動攻撃する人は、相手が期待していることを、きちんと行いません。
約束しても、その約束を、忘れたり破ったり、わざとゆっくりやったりするのです。

ここで、受動攻撃のわかりやすい例を挙げたいと思います。
例えば、あなたは、荷物を持っている人から、「ちょっとぉ、重いんだけど!」と言われたことはないでしょうか? あるいは、通路で立ち話をしているとき、後ろから来た人に、「邪魔なんだけど!」と言われたことはないでしょうか?
「荷物を持って欲しい」「よけていただけますか」と言えばいい状況で、このような言い回しをする人のことを、受動攻撃する人と言います。
上記のようなコミュニケーションをされた場合、された側は相手の言わんとすることを察しなければならないので、余分なエネルギーがかかり、疲れてしまいます。

あなたが、「なんか、あの人と一緒にいると疲れる」と感じさせる人は、あるいは受動攻撃をする人なのかもしれません。

受動攻撃をする人には、次のような特徴があります。
 1.頼まれていたことを忘れてしまう。
 2.頼まれていたことを忘れたフリをする。
 3.相手がいたことに気付かないフリをする。
 4.行動に移す気はないが、頼みごとをされたら、取りあえず「イエス」と言う。
 5.陰口を言う。
 6.お願いされたことをわざとゆっくりやる。
 7.無意識に邪魔する行動を取る。
 8.わざとミスをする。
 9.締め切りの遅れる。
10.落ち込んだ様子を見せて、相手に罪悪感を覚えさせる。
11.ショックを受けたフリをして、固まる。

受動攻撃する人が、人を不快にさせる行為を好んで取るのは、
受動攻撃された人が、困ったり怒ったりする様子を見せるので、それを見て、快感を覚えるからです。「へへへ。奴は、感情コントロールできなくなっているぜ」など。
受動攻撃する人は、悪趣味を持っている人と言えそうです。人は、こんなところで自己重要感(自己肯定感や自尊感情に似た気持ち)を高めたりするのですね。

よって、受動攻撃されないためには、過剰な反応をせず、淡々とした対応を取ることです。そして、受動攻撃をする人に対しては、「どういったことを、いついつまでにして欲しい」と、明確に語ることです。そうすれば、受動攻撃する人は、あなたに対し、攻撃することをあきらめるようになるでしょう。

どうぞ、受動攻撃する人の攻撃対象にならないよう、あなたもお気をつけください。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

     この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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