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「精神科医が、話を聴かないのは何故? カウンセリングをしないのは何故?」に、カウンセラーが答えます。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

ご質問にお答えします。
精神科医が、話を聴かないのは、カウンセリングをしないのは、話を聴いたりカウンセリングをする知識や技術がないということもありますが、何よりも時間がないからです。

※ カウンセリングとは、コミュニケーションを通して、クライアントの行動の変容を試みる、温かい人間関係です。← by 竹内成彦

私(竹内成彦)は、心理カウンセラーとして、毎日10時間ぐらいかけて、4人ぐらいのクライアントをカウンセリングしているのですが、精神科医は、毎日8~9時間かけて、40~50人ぐらいの診察をしなければなりません。

そう、精神科医は、心理カウンセラーの私と同じぐらいの時間で、私の10倍以上の数をこなさなければならない…ということです。これでは、医師がいくら善良で誠実な性格の持ち主であっても、患者にカウンセリングすることなんて、時間的に無理な話です。

上記のことを理解していない方が、わざわざ時間を割いて、せっせとメンタルクリニックの口コミ欄に、「ゆっくり話を聴いてもらえなかった」「事務的な対応というイメージ」「寄り添ってもらっている感じがしなかった」等、低評価の口コミ書き込んでらっしゃいます。本当に、熱心というか、時間の無駄遣いだと思います。

医師は、平均して、1時間で6人ぐらいの患者さんを診なければなりません。ひとりあたり、10分です。10分といっても、その10分の間に、カルテを見なければなりませんし、薬の処方箋を書き、次の予約も取らなければなりませんし、次の患者のために、一瞬だけ気分転換をしなければなりません。そうなると必然的に、「患者と話す時間=診察時間」は、1分から長くても3分前後となります。

そう、精神科医には、話をゆっくり聴く時間やカウンセリングをする時間などないのです。もしも精神科医が、患者に対し、50分ほどのカウンセリングをするようなことになったら、ただでさえ混んでいるメンタルクリニックが激混みとなり、待ち時間がとんでもなく長くなり、新規の患者さんの受付も出来なくなります。そして、メンタルクリニックは、経営的に続行が困難となり、潰れます。

よって、あなたがカウンセリングをして欲しいのであれば、カウンセリングルームに行って、カウンセラーからカウンセリングをしてもらべきです。
※ 尚、カウンセリングは、医療行為ではないため、保険は効きません。

以上です。
以上で、「精神科医が、話を聴かない理由、カウンセリングをしない理由」がおわかりいただけたでしょうか?

私は、あなたが、心優しくて腕のいい精神科医、
心優しくて腕のいいカウンセラーに出会うことを、心から祈っています。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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