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指原莉乃プロデュース第3のグループ≒JOYが孤独な戦いを叫ぶ。ロックに挑んだアイドルの胸の内は?

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(C)YOANI

=LOVE、≠MEに続いて指原莉乃がプロデュースする≒JOY(ニアリーイコールジョイ)が、3曲目となる『超孤独ライオン』でロックに挑戦した。孤独に戦う姿を力強く表現し新境地を開いている。13人のメンバーから、センターの江角怜音、活動休止前の福山萌叶ら5人に聞いた。

振りができないと反対側から教えに来てくれて

――ニアジョイ(≒JOY)はメンバーの年齢幅が小さい中でも、市原さんと村山さんは最年長組。お姉さんっぽいこともしていますか?

市原愛弓 そうでもないです(笑)。しっかりしているメンバーが多くて、大きい声を出してまとめてくれたりするので、私は逆に引っ張ってもらっています。

村山結香 でも、愛弓は落ち着いていて、客観的な意見を言ってくれます。私もメンバーには助けてもらうことが多くて。自分は何で貢献できるかと言ったら、ダンスは習ってきたので、レッスンで困っているメンバーがいたら助けてあげたい気持ちでいます。

福山萌叶 結香ちゃんはみんなを俯瞰的に見てくれています。私は振りの理解に時間がかかって、置いていかれそうになることもあるんですけど、結香ちゃんは反対側の立ち位置にいても来てくれて、何回でも教えてくれます。

村山 心掛けていたことが伝わって嬉しいです。

――結香さんは料理が得意だそうですが、メンバーにふるまったことも?

村山 レッスンの休憩時間にごはんをメンバーと食べるとき、私は家で作ったものを持ってくることが多いので、料理の話をする機会はあります。食べてもらったことがあるのは、3~4人ですかね。

大西葵 私は食べさせてもらいました。そのときはミネストローネで、野菜やきのこが入ったトマトのスープをちょっともらって、すごくおいしかったです。

――お弁当に凝ったものを作っているんですね。

村山 前の日の残りがあったので。健康には気を付けていて、揚げ物とかは作らないようにしています。

村山結香(むらやま・ゆうか) 2004年2月15日生まれ、福岡県出身 (C)YOANI
村山結香(むらやま・ゆうか) 2004年2月15日生まれ、福岡県出身 (C)YOANI

ダンスが激しいので食べないと体が動きません(笑)

――結成から8ヵ月になりますが、皆さん、外見的にも早くもすごく洗練された印象があります。何かしていることはあるんですか?

江角怜音 筋トレは毎日やっています。家でYouTubeのトレーニングの動画を流していると、関連のものが延々と出てきて。音楽を掛けながら、ひたすら運動して、気づけば1時間経っていたりします。

市原 ニアジョイのダンスは激しめで、痩せようとして食べないと体が動きません(笑)。私はメイクが好きで、ただ濃くするのでなく、自分の顔に合うように足りないところは足して、要らないところは引いたりしています。

大西 私はニアジョイに入る前はメイクが雑で、ファンデーションも使ったことがなかったんです。肌に肌と同じ色を塗って何になるんだ? と思っていて(笑)。でも、塗ると全然違いました。

村山 特別公演の1ヵ月前から、お菓子を食べないようにして、筋トレも始めました。毎日同じことをすると、性格的に三日坊主になってしまうので、腹筋だったり足痩せだったり、日々いろいろなところを鍛えて飽きないようにしました。

意識しなくても見た目も声も変わっていました

福山 意識はしてないんですけど、お披露目からの自分の写真を見ると、ちょっとずつ変わってきているんです。見た目だけでなく、話し声も変わってきたとよく言われます。母も「お腹から声が出るようになった」と。自分の客観的な姿を見る機会が多い分、どんどん変わっていくのかなと思います。でも、お菓子はやめられなくて困ってます(笑)。

――今の時期だと、イモ系のお菓子とか多いですよね。

福山 そう言えば、今朝もハーゲンダッツの紅はるかのアイスを食べました(笑)。最近はあんころ餅にハマってしまって。母が赤福を大量に買ってきて、ずっと食べていました(笑)。

――江角さんも「ピザまんばかり食べてる」とツイートしてました。

江角 きっかけは散歩していたらコンビニがあって、ピザまんの食べ比べをしようと思ったんです。最初のコンビニで買って、歩きながら食べ終わって、次のコンビニでまた買って、食べながら家に戻りました(笑)。

福山萌叶(ふくやま・もえか) 2004年10月22日生まれ、神奈川県出身 (C)YOANI
福山萌叶(ふくやま・もえか) 2004年10月22日生まれ、神奈川県出身 (C)YOANI

パンクを部屋で爆音で聴いていました

――ニアジョイ3曲目の『超孤独ライオン』は初のロックナンバーになりましたが、怜音さんはもともと、こういう曲が好きなんですよね?

江角 大好きで、洋楽のパンクロックをよく聴いています。部屋で爆音で掛けて。

――頭を振りながら聴いていたり?

江角 いえ、普通に聴いています(笑)。

――他にもロック好きな方はいます?

市原 私はいろいろなジャンルの音楽を聴いていて、洋楽のカッコいい曲は好きです。ロックかわかりませんけど、ニッキー・ミナージュさん、カーディ・Bさん、ドージャ・キャットさんとかを聴いています。

――ヒップホップ系ですね。

福山 私はアイドルさんを好きになったきっかけが欅坂46さんだったので、カッコいい系の曲に憧れはありました。台詞がある曲はライブで盛り上がる印象があって。

――『不協和音』とかですね。

福山 『超孤独ライオン』もカッコいい中で台詞も入っているので、ライブの定番曲になればいいなと思います。

大西 私はロックを全然聴かないので、この曲をもらってビックリしました。でも、私たちはまだ手探り状態の中でロックに挑戦したので、「これはニアジョイにしかできないよね」と言われるようになりたいです。

江角怜音(えすみ・れのん) 2005年4月26日生まれ、大阪府出身 (C)YOANI
江角怜音(えすみ・れのん) 2005年4月26日生まれ、大阪府出身 (C)YOANI

1人で歌っても強く引っ張れるように

――ロックは歌ううえで難しさはありました?

江角 私は笑顔よりクールな感じのほうがやりやすいです。恥ずかしさは捨てて頑張ろうと思いました。

大西 サビ前が嵐の前の静けさのように一度落ち着いて、そこからサビでワーッと盛り上がるのが、すごくいいなと思います。歌っていてもテンションが上がって。私はラスサビの最初の2行をソロパートでいただいて、1番のサビも結香ちゃんと歌っていますけど、また違うんですよね。最後だから一番盛り上げないといけない。どういうふうに歌うか考えました。

――何か掴みましたか?

大西 具体的に「ここをこうする」というのはなくて、「盛り上げるぞ!」と気持ちを入れて歌ったら、ディレクターさんに「今のが一番良かった」と言っていただけました。やっぱり曲の世界観に入り込んで、主人公になり切って歌うのがいいのかなと思いました。

――サビは攻めた感じですね。

村山 今までの2曲のサビは全員で歌って、所々ソロが入ってましたけど、今回の歌割りを見たら、自分1人から葵が加わって、一緒に歌う形になっていて。驚きましたけど、そうする意味を自分で嚙み砕きながら、レコーディングに挑みました。

――どんな意味があると捉えたんですか?

村山 1人でも強く引っ張れる力を意識しました。みんなで歌ったほうが良かったと思われたり、1人で歌って楽曲のイメージを落としたくもなかったので。

福山 ニアジョイに入った頃、イコラブ(=LOVE)さんとノイミー(≠ME)さんの曲を歌って、レコーディング室で聴くということをやらせていただいて。私の歌はとんでもなくて、どうしようかと思ったんです。ニアジョイは歌がうまいメンバーが多くて、私は少し前まで、みんなと同じ土俵に上がれてない感じがしてました。今回、私も1番のサビの最後に、大信田美月と怜音と続けて歌うソロパートがあります。仮レコーディングでは私の声がこもりがちで、これはまずいなと。不安がありましたけど、本番では頑張って、初めて自分の歌に納得できました。

大西葵(おおにし・あおい) 2005年8月6日生まれ、東京都出身 (C)YOANI
大西葵(おおにし・あおい) 2005年8月6日生まれ、東京都出身 (C)YOANI

方言だと台詞は言いやすかったです

――博多弁と大阪弁の台詞はスムーズに録れたんですか?

市原 私は福岡出身ですけど、博多弁は話さなくて(笑)。「邪魔っちゃけど」といった台詞は「私に?」とビックリしました。

村山 「そこで何しようと? 頂上で待っとうよ」って普段言わない言葉ですけど、博多弁だと言いやすくて。台詞ってインパクトがあって、曲のイメージも作りますよね。「そこで何しようと?」は強く、「頂上で待っとうよ」はやさしくとか、言い方をいろいろ組み合わせてみました。しゃべるスピードも変えて、この曲に一番合うようになったと思います。

江角 私の「おもんないなぁ」も、いろいろな言い方で録りました。強めとか、控えめとか。

――突き刺すような感じが使われていましたね。『超孤独ライオン』の1人で戦う歌詞には刺さるものはありました?

市原 自分のことかなと思いました。私は1人行動が好きで、お出かけもごはんも1人でするし、共感するところがあります。他人でなく自分と戦っている感じの歌詞で、私も常に自分の敵は自分だと思っていて。自分のダメなところを自分でどうにか克服する。でないと、そのレベルのままで終わってしまう。だから、いつも自分と向き合っています。このお仕事は自分の良いところも悪いところも知ることができて、ありがたいです。

大西 今までの『≒JOY』や『笑ってフラジール』はやさしく背中を押してくれる歌詞でしたけど、『超孤独ライオン』では台詞の「誰も助けてくれないよ」とか、真に受けてしまって(笑)。助けてもらえないんだ……ってショッキングでした。でも、全体を見たら、落としてくるわけではなくて。<かっこよすぎだってば 勝者は君>とか応援してくれる部分もあるし、「自分ならできる」と前を向ける曲だなと思います。

自分を高められたら周りは気にならないんだろうなと

――台詞では愛弓さんが「他人の名言に感動しとっても何も変わらんとよ」と言ってますが、皆さんが感動した名言とかはありますか?

市原 「自分に本当に自信があるなら他人に嫉妬しない」というニッキー・ミナージュさんの言葉があって。それも自分と向き合うイメージで、自分を高められれば周りのことは気にならないんだろうなと思いました。

村山 座右の銘だと、私は「やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいい」というのは、常に心の中で考えています。身近なことで言うと、ゴミが落ちていて拾うか拾わないかとなったら、拾ったほうが場所がきれいになるし、もしかしたら誰かが助かるかもしれない。やって後悔しても経験になって、次に活かせる。そう思って行動しています。

福山 パッと言葉は浮かばないんですけど、この年齢で社会に足を踏み入れると、今までは耳にしても何となく「そうなんだ」と思っただけの言葉が、現実味を帯びてスッと心の中に入ってきます。結香ちゃんが言った「やって後悔したほうがいい」もそうだし、先人の教えは正しいと感じることが多いです。

江角 空手の師範に「肉体的に強いことは本当の強さじゃない。精神的に強くなって広い心を持てたら、もっと強くなれる」と言われたことがあります。確かにそうだなと思いました。

大西 私は語り出すと止まらなくなるかもしれませんけど(笑)、『プリキュア』が好きなんですね。中でも『ハートキャッチプリキュア!』が一番好きで、主人公のキュアブロッサムが「悲しみの連鎖は誰かが歯を食いしばって断ち切らないといけない」と言ったんです。先輩のキュアムーンライトが(父親が敵の組織に操られて殺されて)憎しみから動こうとしたときに出た台詞でした。

――女児アニメにしては重い話でした。

大西 でも、プリキュアは憎しみでなく、誰かを守るために戦っているので。私も人間なので、イヤな感情になることもありますけど、自分が人から向けられたものをまた誰かに向けたら、終わらない連鎖になってしまう。そこで流されず、自分が断ち切らないといけないとわかりました。

市原愛弓(いちはら・あゆみ) 2003年8月21日生まれ、福岡県出身 (C)YOANI
市原愛弓(いちはら・あゆみ) 2003年8月21日生まれ、福岡県出身 (C)YOANI

ライトやセットに埋もれない表情を

――スクラップ工場で撮影したMVも、皆さんが体を激しく動かしていて、カッコよく仕上がりました。

村山 今回はリップシーンとダンスシーンだけで、ドラマシーンがないんです。でも、リップシーンでもスタンドマイクを使ったり、見飽きないようになっていて。ライトや背景のセットもいろいろ作っていただいた分、雰囲気に埋もれないように表情をしっかり出して、カッコいいと思ってもらえることを意識しました。

福山 ダンスシーンを初めて夜に撮りました。センターの怜音がウルフカットでロックな感じで、衣装は1人1人に合わせて、みんな違っていて。怜音たちが台詞を言うときとかも、照明の色がメンバーごとにちょっとずつ変わっているので、そこにも注目してほしいです。

江角 曲調も衣装も本当にカッコいい系で、ずっとやりたかったことができて、本当に嬉しいです。

(C)YOANI
(C)YOANI

≒JOY(ニアリーイコールジョイ)

指原莉乃が代々木アニメーション学院のバックアップのもと、=LOVE、≠MEに続いてプロデュースする第3のグループ。2022年3月に結成。メンバーは13人。同年7月に1stソング『≒JOY』を配信。11月に3rdソング『超孤独ライオン』が配信され、≠MEの5thシングル『はにかみショート』のカップリングに収録。

公式HP

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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