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実直で奥深い看板メニュー「豆餅」名古屋の一朶さんに並ぶ日常の和菓子には甘い癒しを求める行列も

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

京都でもなく金沢でもなく奈良でもなく、名古屋。名古屋は和菓子文化が盛んな街として、和菓子好きの間では非常に名高い街。味噌煮込みうどんや天むす、あんかけスパ、手羽先などどちらかというと料理としてのグルメが真っ先に思い浮かぶ方も多いかと思いますが(もしくは鬼まんじゅう)、茶器を溺愛した織田信長をはじめ、徳川家康や豊臣秀吉、そして千利休など尾張藩の繁栄とは切っても切れない関係であった名古屋の茶の湯文化。

事実、老舗とうたわれる和菓子屋さんも名古屋やその周辺に暖簾を掲げているお店もおちらほら。

今回は百貨店さんの事前予約にて購入できました
今回は百貨店さんの事前予約にて購入できました

その流れにより、毎日のおやつとして口にしたくなるような和菓子の文化も発展。日常の和菓子の代表格のひとつ、大福などの餅菓子を作っていらっしゃるお店の「一朶」さん。

慎ましやかなお店ながらも、その実直な美味しさを求め、近隣のみならず全国からファンが訪れるほど。春は桜餅、夏はフルーツを使用した水羊羹や冷やしみたらし餅、秋は栗きんとんや大福、冬はふわっふわの苺大福。そして通年商品の和三盆プリンや草餅、大福…文字だけでもたまりません。

今回は人気定番商品でもあり看板メニューのひとつ「豆餅」をご紹介。

まんまるで愛嬌のあるフォルム
まんまるで愛嬌のあるフォルム

豆餅は一朶でいう豆大福。毎朝搗き上げるコシと伸びの良い強かなお餅には、赤えんどう豆をあわせて。こちらの赤えんどう豆の塩加減がまたユニークで、ぽりぽり!っという大胆な歯ごたえの中にややキリリと効かせた塩味。それが嫌な目立ち方をしているわけではなく、やや控えめな甘味の粒餡をしっかりアシスト。更にその塩気により、あんこの、いえ、小豆とお餅の素朴な甘味が一気に際立っているような気がするのです。

どこを食べてもお餅・赤えんどう豆・粒あんを一緒に味わえます
どこを食べてもお餅・赤えんどう豆・粒あんを一緒に味わえます

粒餡もたっぷりと包まれており存在感は抜群。かといって厚すぎないお餅ながらも、コシの強さやふくよかな旨味が脳裏にしっかりと焼き付く好印象。

堂々と顔を上げて空を仰いでいるようなまんまるの豆餅は、素材それぞれが魅力的なプレゼンをしてくれるような楽しいおやつ。媚びているわけではないのに、多世代に人気というのも納得の味わいです。

スンと上をむいているような豆餅
スンと上をむいているような豆餅

当日の商品ラインナップなどは公式instagram(外部リンク)のアカウントからもチェックできます。定番の名古屋グルメだけではなく、少し足を伸ばして名古屋の和菓子も楽しんでみてはいかがでしょうか。

<一朶>

公式サイト(外部リンク)

名古屋市南区豊田1-28-5

052-618-8555

10時~売り切れ次第終了

定休日 不定休

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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