「台風9号被害」で平壌の全党員に「SOS」を発信! 金正恩委員長の緊急メッセージの概要
8月初旬の集中豪雨と8月下旬の台風8号、そして今月2日から3日にかけての台風9号と立て続けに自然災害に見舞われた北朝鮮は国家の一大事とばかり、金正恩委員長が台風9号の被災地を視察し、平壌市全党員に被災地の復旧、復興のため立ち上がるよう緊急メッセージを出した。
(参考資料:3度の台風到来で北朝鮮農業は壊滅か!? 25年前の飢饉の再来も!)
以下はその概要である。
―まもなく盛大に行われる労働党創建75周年の慶祝行事準備と歴史的な第8回党大会(来年1月開催予定)を迎えるための張り詰めた闘争で誰よりも苦労の多い同志らに挨拶を伝える。
―新聞や放送で周知のように最近相次いで押し寄せた豪雨と台風により国の至るところで同時多発的な被害が発生し、それを克服するため猛烈な復旧戦闘が繰り広げられている。
―その最中に再び押し寄せた台風9号により東海岸に位置した江原道と咸鏡南道、咸鏡北道ではまた被害を受けた。特に咸鏡南道では丹川市と新浦市、洪原郡など10余の市、郡で住宅と公共施設が浸水、破壊され、多くの被災民が避難している。崩壊した住宅だけで1000世帯に上る。咸鏡北道でも同様の被害を受けている。事前に対応策を講じたが、予想外の暴雨と強風で被害が発生してしまった。
―一瞬も遅滞してはならないこの緊迫した状況で、しかも社会の多くの基本建設力量と人民軍部隊がすでに江原道と黄海南・北道の被害復旧現場に展開されている状況下で党中央は咸鏡南・北道の被害復旧を強力に支援する問題を他ならぬ首都の党員同志らに打ち明けることにした。
―もちろん、咸鏡南・北道にも多くの党員と党組織があり、彼らもまた党中央の意図を知って、被害復旧闘争をしっかりやるものと信じているが、党中央は党中央委員会を近くで保衛している親衛隊列である首都の核心党員らが旗を掲げて、被害復旧現場に進出することがより意義があるとみている。
―首都の党員らは我が党が一番信じている核心力量である。首都党員らが党の呼びかけに応えて被害現場に出て、闘えば自然がもたらした破壊的な災難による経済的損失に比べられない巨大な力を得ることになるだろう。
―党中央は、朝鮮労働党創立75周年と第8回党大会を断固守るために我々の首都の党員同志たちが決起して災害を被った咸鏡南・北道の被害復旧現場に勇躍駆けつけることを願っている。
―10月10日が目前に迫っているが、状況が困難で時間が差し迫るからといって新たに被害を受けた咸鏡南・北道の数多くの人民が屋外で祝日を過ごすようにすることはできない。党の想いと差し伸べる手で、首都平壌の温かい情で被災地の人民を手厚く慰労し、一刻も早く災難を払拭するように真心込めて支援し、闘うことを党中央は首都の党員同志たちにアピールする次第である。
―今は、環が人民の不便と苦痛を拭うため被害復旧戦闘が行われている戦区がまさに我が党の戦力を投入しなければならない最前線である。従って、党中央は首都の優れた中核党員1万2000人で咸鏡南・北道にそれぞれ急派する最精鋭首都党員師団を組織することを決心した。
―平壌市党と地区党、市級、区域級期間、工場、企業の党員らは誰もが前例のない戦闘隊列に志嘆し、党組織の推薦を得ることができる。戦域に向けて発つ前に我らの主席と総書記が居られる聖地の広場で決起集会を開き、忠誠の誓いを立てて被害復旧現場に進出すれば主席と総書記も非常に喜ぶことだろう。
―同志らは首都の革新党員にふさわしく、現場進出から撤収にいたるまでの全期間、復旧闘争と生活のすべての面で溢れる気迫と秩序整然とした行動で模範を示さなければならない。
―省・中央機関の党員同志たちも、被害復旧現場へ進出する戦闘員という姿勢で復旧工事に必要な資材と設備、物資を適時に迅速に送ってやることで、首都で働く党員としての本分を全うすべきである。
―党中央が直接組織して咸鏡南・北道に派遣する首都の最精鋭党員師団が朝鮮労働党創立75周年の祝日と第8回党大会を断固守る別働隊として、与えられた栄えある使命と戦闘任務を立派に遂行し、大きな勝利を収めることを固く信じている。