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【富田林市】大型地車は移動式芝居舞台、本格河内俄は必見!!美具久留御魂神社の日曜宮入りは珍しいのです

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野の場合、秋祭りが今年の場合12・13の土日に集約され、道路交通網が通常と異なるため、イベントは14日などその2日を避けている傾向がありました。しかし、富田林の場合も錦織神社などで秋祭りが行われますが、あまり影響がないようで、13日にすばるホールでカルチャークルージングが行われました。

また次の19日・20日の土日も秋祭りが行なわれる地区がありますが、同じすばるホールでは、19日にはプラネタリウム100周年とすばる望遠鏡25周年を記念したイベントが14:00から行われます。全席自由で大人500円、子ども250円です。

とはいえ、やはり秋祭りは必見です。先週は錦織神社や彼方の春日神社などに宮入する地車の曳行が周辺地域で行われました。動画は日曜日に彼方側の地車が3台、石川にかかる高橋を渡って滝谷不動駅方面に向かっていくシーンです。

富田林後半戦の秋祭りのメインは美具久留御魂神社(みぐくるみたまじんじゃ)ですが、他の神社の宮入が土曜日なのに対して、秋季大祭 後宴祭として例外的に20日日曜日に行われています。

通常は14台の地車が宮入りします。撮影はコロナ禍の頃のものなので、地車が1台ずつ宮入りして引き上げています。

寺内町の子どもだんじりが入ってきました。

子どもだんじりなので可愛らしいですが、スタイルは本格的な河内俄(仁輪伽・にわか)を踏襲していました。

最後に激しくだんじりを動かして終わりです。

子ども地車に限らず、美具久留御魂神社の俄は、伝統的な本格派のものになっているのが、大きな特徴です。

河内俄について調べると、昭和のころから本来のスタイルから変わってきて、法被の衣装のままでTV等で登場するお笑い芸人のような漫才(俄の発展形)を披露することが増えてきたそうです。

しかし、本来の俄とは、神様に奉納して御魂を和めるために行われます。そのようなことから下水分社(千早赤阪村の建水分神社の上水分社に対する美具久留御魂神社の呼び方)連喜楽座さんが、古来のスタイルに復興したという経緯があります。

観心寺の楠木正成首塚横
観心寺の楠木正成首塚横

下水分連喜楽座さんは、今年の楠木正成の命日にあたる5月25日に「大楠公御命日」と題した俄を観心寺の首塚前で奉納披露しました。そしてすばるホールでも定期的な講演会を行っていますね。

とはいえ、俄は本来、地車の上で演じられるものです。子ども地車の奉納俄15分で、大人の地車の奉納俄はおおよそ20分とのこと。地車の中では大型ですが、俄の舞台は小さくて、せいぜい3人くらいしか演じられません。

それでも後ろ側が小さな楽屋のようになっているので、大型地車は移動式芝居舞台と言っても過言ではありません。

演じる役者さんは、白化粧にカツラをかぶり、服装も当時のものをイメージしているため、大衆演劇のようです。

豪快に神社に入ってくる入る地車の荒々しさが、俄の時だけはコミカルさが加わるギャップがたまりません。

そして俄芝居の最後にオチがあって、それが終わると元の荒々しい地車の掛け声とともに大きく前後に揺り動かします。それまでコミカルに演じていた役者さんも、荒々しい地車モードに切り替わります。

俄を演じる20分ほどの間だけは、前後の地車の雰囲気との違いが楽しめます。ただ激しく走ったり、回したりするのではなく、神様と一緒にミニ芝居が楽しめるのは、富田林を中心とした南河内一帯の大型地車で行われる河内俄の醍醐味ではと思います。

南河内の歴史的なヒーロー楠木正成を演じた俄もあるので、次の日曜日、時間が合えば美具久留御魂神社の宮入に行ってみては如何でしょう。

動画もありますので、ご参考までに。

美具久留御魂神社公式ページ(外部リンク)によると、20日当日は9:45から毛人谷(えびたに)の地車からスタートし、順番に宮入をして境内移動の後、順番に奉納俄をしていきます。

すべての俄の奉納が終わると美魂連乾杯、美魂連大神輿担ぎののち、順番に境内を退出していきます。すべての地車が退出するのが16:30を過ぎる見込みなのでほぼ丸一日です。とはいえ、美具久留御魂神社は近鉄喜志駅から徒歩で行けるのが魅力ですね。

また地車愛好会河秋会では夏休みから秋にかけて子ども仁輪伽(俄・にわか)教室が行われ、その発表会が11月17日日曜日にすばるホールの3階で行われるとのこと。南河内の伝統芸能がこうして次世代に伝えられることはとても素敵ですね。

美具久留御魂神社

住所:大阪府富田林市宮町3丁目2053

アクセス:近鉄喜志駅から徒歩14分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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