3000安打とピート・ローズ超え。イチローが挑む2つの偉業
史上最速3000安打へ
メジャー通算3000安打まで残り65本。日本が誇る世界最高のアスリートが大記録に迫っている。
現在、メジャー通算3000安打を達成しているのは29人。2935安打のイチローはバリー・ボンズと並んで歴代33位タイ。もし仮に今季の安打数が昨季と同じく91本なら通算3026安打となり歴代25位に浮上する。
達成間近の歴史的偉業はメジャーリーグの公式サイトでも紹介され、イチローの安打ペースの速さにも言及されている。これまでの達成者は少なくとも18シーズンを要したが今季イチローが65安打以上すれば16年目での到達となり史上最速。通算3000安打ちょうどで今シーズンを終えた場合、年間平均安打数は187.5本となりこれもピート・ローズの177.3本やタイ・カッブの174.5本やデレク・ジーターの173.3本を上回り史上最多となる。
通算安打数の世界記録保持者はピート・ローズで4256本。ちなみにピート・ローズは通算安打数のみならず他にも通算試合数、通算打席数、通算打数でも歴代1位。誰より安打を放った男は誰より試合に出場した選手でもあった。イチローも安打数が最も注目を集めるが試合に出続ける体の強さも大きな特徴の1つでメジャー15年間での出場試合数は2357。これは松井秀喜、松井稼頭央、城島健司の出場試合数を合計したものより多い。
メジャー挑戦後にペースアップ
オリックス時代の通算打率は.353。7年連続で首位打者に輝き、この間のOPSは本塁打を量産するタイプではないにも関わらず全て.900以上。2001年のメジャー挑戦初年度に242安打を放ち打率.350で首位打者を獲得すると、2004年にシーズン262安打の新記録を打ち立てるなど10年連続で年間200安打を達成。海を渡ってもその打撃は色あせることはなかった、どころかさらに驚くべきことはこの10年間の1試合当たりの安打数で、7年連続首位打者を獲得したオリックス時代を上回る。
日本 1試合当たり1.34本(951試合 1278安打)
メジャー 1試合当たり1.41本(1588試合 2244安打)
ちなみにこの間、1試合当たりの盗塁数も
日本 0.209個(951試合 199個)
メジャー 0.241個(1588試合 383個)
と渡米後さらに向上。こんな選手2度と現れないだろう。
日本で9年間プレーしたイチローは日米通算成績ならすでに4000安打を達成しており、ピート・ローズの記録までもあと43本に迫っている。所属するマーリンズはメジャーでも屈指の外野陣が揃い、イチローの立場はレギュラーとは言い難い。記録達成なるかはどれだけ出場機会をつかめるかに懸かっている。日米での殿堂入りが確実視されているスーパースターのメジャー16年目、日米通算プロ25年目のシーズンが間もなく始まる。