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スマホで遊べる「Apexモバイル」登場。安定した操作感で盛り上がりに期待大

山口健太ITジャーナリスト
Apexにスマホ版が登場(Electronic ArtsのWebサイトより)

人気バトルロイヤル型FPS「Apex Legends」のモバイル版が、5月18日から日本でも提供開始されます。スマホで安定した操作感が実現されており、ランクマッチやモバイルeスポーツなどで大いに盛り上がりが期待できそうです。

PCなどで人気のFPSをスマホに最適化

スマホ版「Apex Legends Mobile」は、2022年3月に地域限定ローンチでテストが実施されていました。この「シーズン0」は5月上旬に終わり、いよいよ日本を含む世界各国で一斉展開が始まりました。

iOS版Android版のアプリは日本時間で5月17日13時ごろに公開されています。アプリのインストールや基本的なゲームプレイはすべて無料。見た目を変えるアイテムなどには有料のものがあります。

これまでApex LegendsはPC版とコンソール版がリリースされており、クロスプレイができました。これに対してモバイル版は独自要素を含んだ別バージョンとなっており、お互いにマッチングすることはないようです。

PC版との違いとして、グラフィックスや操作性がスマホに最適化されているのはもちろん、オリジナルのゲームモードや、モバイル版専用のレジェンド(キャラクター)も追加されています。

スマホやタブレットで遊べるよう最適化されている(iOS版ゲーム画面より)
スマホやタブレットで遊べるよう最適化されている(iOS版ゲーム画面より)

モバイル版の新レジェンド「フェード」も(iOS版ゲーム画面より)
モバイル版の新レジェンド「フェード」も(iOS版ゲーム画面より)

他のバトロワゲームでお馴染みの三人称(TPP)視点のモードが用意されていたり、ゲームパッドにも対応しているなど、スマホでの遊びやすさを考慮したと思われる要素も加わっています。

コントローラーの設定画面(iOS版ゲーム画面より)
コントローラーの設定画面(iOS版ゲーム画面より)

グラフィックスについては、さすがにPC版と比べてさまざまなオブジェクトが簡略化されている印象はあるものの、画質やフレームレート(FPS)はデバイスの性能にあわせて設定できます。

Apexモバイルの開発は「PUBG MOBILE」と同じLightspeed & Quantum Studiosが手がけているとのこと。ローンチ初日からFPSゲームとして安定して遊べるあたりに、PUBGのノウハウが活かされているように感じます。

Apexらしいゲーム展開がスマホで楽しめる

Apexは3人1組のバトロワゲームです。マップ上の任意の地点に降下し、武器やアイテムを集め、敵チームを倒して最後の1チームになるまで生き残れば「チャンピオン」になります。

移動速度を上げる仕掛けや特殊能力が豊富にあり、敵チームの銃声が聞こえたら容易に近づくことができます。相手チームに勝利しても、漁夫の利を狙って別のチームが休む間もなく押し寄せるといった展開になりがちです。

運悪くやられてしまっても、チーム内の誰かが生き残っていれば味方を復活できる仕組みがあります。逆に、誰か1人が強いだけではチャンピオンになることは難しく、3人のチームワークが重要なゲームといえます。

ゲームのメインとなるのが、いわゆるカジュアルと呼ばれる「バトルロイヤル」モードです。勝っても負けても戦績としては残らないので、練習に最適です。最初は初心者でも勝てるように難易度調整がされています。

最初は比較的簡単に勝てるように調整されている(iOS版のゲーム画面より)
最初は比較的簡単に勝てるように調整されている(iOS版のゲーム画面より)

一方、「ランク戦」(ランクマッチ)はゲームごとに結果が蓄積されていくモードで、勝ち続けるとアイアンからブロンズ、シルバー、ゴールドと上がっていく仕組みです。負けるとポイントが下がるので真剣勝負になります。

シーズン1ランクマッチは5月17日〜7月11日(iOS版のゲーム画面より)
シーズン1ランクマッチは5月17日〜7月11日(iOS版のゲーム画面より)

PC版はシーズンを重ねるごとにレジェンドの追加、武器の性能調整、マップの追加や変更といったアップデートが入っています。今後、モバイル版にどのようなアップデートがやってくるかも楽しみの1つです。

モバイル版のマップはPC版より少し古いようだ(iOS版のゲーム画面より)
モバイル版のマップはPC版より少し古いようだ(iOS版のゲーム画面より)

モバイルeスポーツとしても期待

スマホゲームといえばカジュアルに遊べるものが多いイメージがあるものの、スマホ本体の性能向上に伴い、競技性の高いタイトルが増えています。

PUBGのモバイル版は、NTTドコモが主催するプロリーグに採用されており、サムスン電子ソニーが競技用のスマホを提供しています。端末メーカーがスポンサーについているチームも存在します。

最近ではアップルが3月に開いた発表イベントで、第5世代iPad Airの性能の高さを示す場面においてApexモバイルが採用されていました。

アップルの発表会で披露されたApexモバイルのデモ(発表会の動画より)
アップルの発表会で披露されたApexモバイルのデモ(発表会の動画より)

普段使いのスマホであれば中・低価格帯のモデルで十分となりがちですが、FPSのようなゲームは非常に高い性能を求められます。5Gに対応したハイエンドスマホを売り込みたい携帯キャリアや端末メーカーにとっては、腕の見せどころというわけです。

誰もが持っているスマホで遊べるようになることで、プレイ人口の増加も期待できます。自分でプレイした経験があれば、人のプレイを見るのも面白いものです。eスポーツや動画配信を見る人が増えれば業界全体にとって追い風になりそうです。

追記:

2023年1月31日(米国時間)、Apex Mobile Legendsのサービス終了が発表されました。終了日時は2023年5月2日午前8時(日本時間)とのことです。

エレクトロニック・アーツからの発表

日本の公式Twitterアカウントからのツイート

追記:

2023年5月2日午前9時(日本時間)にサービスを終了。ゲームにログインできなくなり、App Storeからアプリが削除されています。「購入済み」からのダウンロードもできなくなっています。

サービス終了によりログインは不可能に(アプリ画面より、筆者作成)
サービス終了によりログインは不可能に(アプリ画面より、筆者作成)

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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