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53歳。交際相手から「あなたと暮らすことをイメージできない」と言われました~おみおじリポート173~

大宮冬洋フリーライター
志は高いけれど口下手な男性。オネットに再登場して本気の婚活をします。(本人提供)

本気であれば客観性も生まれる。自分と釣り合いの取れた結婚相手を見つけられる

※2024年6月20日追記。吉野さんは半年間の受けオネット期間を終了し、自動退会日を迎えました。残念ながら結婚につながるような出会いはオネットではご紹介できませんでしたが、彼の幸せを祈りつつ見送りたいと思います。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。
 最近、婚活で大切なのは本気だけだと感じるようになりました。年齢や見た目、職業、年収、住んでいる場所などの条件で人気・不人気はあります。でも、本気であれば、経験を重ねて客観性が生まれ、自分に適したやり方で釣り合いの取れた相手を見つけられるものです。逆に言えば、婚活をしているのにいつまでも結果の出ない人は「自分は本当に結婚したいのだろうか」と問い直すべきだと思います。
 東海地方で実家のみかん農家を継いでいる吉野伸一さん(仮名、53歳。前回記事はこちら)は本気です。前回の受けオネット活動は昨年12月に終了しましたが、ちょうどその頃にマッチングアプリで知り合った女性と半年間ほど真剣に交際していたとのこと。
「自然農法に興味があり、ご自身もビーガンで、料理もお好きだということで僕に関心を持ってくれたようです。北陸に住んでいる方なので大丈夫かなと思ったのですが、北陸は地元ではなく、今年になってからはうちの畑にも遊び来てくれました。実際に会えたのは4回ほどです」

12月はみかんの繁忙期。「一連の収穫作業をコーディネートして運搬するのは僕です。この時期だけは仕事を優先せざるを得ませんが、夜ならばオンラインでお話しできます」(本人提供)
12月はみかんの繁忙期。「一連の収穫作業をコーディネートして運搬するのは僕です。この時期だけは仕事を優先せざるを得ませんが、夜ならばオンラインでお話しできます」(本人提供)

今回こそ先に進めるかと思ったのに……。ダメになってしまってとても残念です

 リアルでは4回しか会えなくても、通信手段が発達した現代ではコミュニケーションを重ねることは可能です。ただし、吉野さんの場合はそのコミュニケーションに問題があるように思います。
「僕は春先に直接お会いしたときに、『結婚を視野に入れたお付き合いをしたい。急がなくてもいいけれど考えておいてほしい』とお伝えしました。3か月ほど経っても返事がなかったので、もう一度同じことを伝えたところ、『一緒に暮らすことをイメージできない』と言われてしまいました……。ズルズル付き合っても仕方ないのでお別れして今に至ります。今回こそは先に進めるかと思ったのですが、結果的にダメになってしまってとても残念です」
 春先に直接会ったというのはおそらくリアル初対面ですよね? その時点で「結婚前提」と言い出すのは誠実だけどちょっと重いのではないでしょうか。吉野さんは最初はややぶっきらぼうな印象があるので、いきなり結婚を持ち出すと「農家だから労働力がすぐ欲しいのだろう。私じゃなくてもいいのでは?」などと思われかねません。まずはお互いに楽しく居心地のいい時間を過ごし、離れがたくなることが大前提です。

吉野さんの自炊料理。ご飯、具沢山味噌汁、タマネギの醤油和えが定番です。(本人提供)
吉野さんの自炊料理。ご飯、具沢山味噌汁、タマネギの醤油和えが定番です。(本人提供)

自然農法と慣行農法の2本柱を目指す。やりたいことと経済を両立したい

 仕事と生活に関しては、みかんの収穫期(今月がピーク!)は忙殺されながらも納得しながら独自の道を歩めているようです。農園も父親からバトンタッチされつつあります。
「就農から10年経ってかなり自主的に動けるようになりました。79歳でまだまだ元気な父からは『お前が中心にやれ』と言ってもらっています。技術的にはまだ父にかないませんが、気持ちのうえでは僕がリーダーです」
 吉野さんがシステムエンジニアなどを経て、実家の農業を継いだ最大の理由は「無肥料・無農薬での自然農法をやりたい」です。現在も農園のごく一部で実験的に自然農法のみかんを栽培し、Facebookを使って友だち限定で販売中。
「将来的には慣行農法のみかんとの2本柱にしたいと思っています。慣行農法のみかんはJAが全量引き取ってくれるので安定的な固定収入です。自然農法は単価が高くできるので利益を出せると思っています」

元システムエンジニアの吉野さん。ITスキルはあるけれどアピール力は低め。自然農法のみかんを安定的に売る方法を模索中です。(本人提供)
元システムエンジニアの吉野さん。ITスキルはあるけれどアピール力は低め。自然農法のみかんを安定的に売る方法を模索中です。(本人提供)

自然農法や自然食に興味がある人なら大いに楽しめる環境。美味しいゴハンを出せます!

 吉野さんは生活面でも「自然」好きです。例えば、現在は花粉症を食事で治すことに取り組んでいるそうです。相変わらず変わっていますが、思想的なビーガンなどではなく、食べたくなったときは肉も食べているとのこと。ゆるめの自然派と言えます。
「ただし、食事の傾向はある程度共有できないとお互いに辛いと思います。化学調味料大好き、という人は難しいかもしれません。自然農法や自然食に興味がある人ならば、大いに楽しめる環境だと思います。良い食材を仕入れることと味覚には自信があるので、結婚相手には美味しいゴハンを出してあげられますよ。掃除はちょっと苦手なので、補い合って暮らせればいいなと思っています。一緒に畑で働けたら最高ですが、農業に関わることを無理に求めません」
 いかがでしょうか。はっきり言って、口下手で表情に乏しい吉野さんからここまで聞き出すのに時間がかかりました。こちらが厳しいことを言っても怒ったりしない穏やかで素敵な人なんですけどね。「つかみ」が悪いのです。この記事を読んでお見合い申し込みをしてくれる女性はある程度の覚悟をして臨むとは思いますが、それでも彼のコミュニケーション下手に腹が立つこともあるでしょう。
 だからこそ、オネットのお世話係であるマチコ先生をフル活用することをおすすめします。真剣交際や結婚の申し込みは、まずはマチコ先生に相談してからにしてください。僕たちは相手の女性とも吉野さんと同じようにつながっているので、最適なタイミングや方法をお伝えすることができます。吉野さん、来年の年末は良きパートナーと一緒に過ごせるように頑張りましょう!

アロエのジュレ。花粉症を治すために飲んで「人体実験中」なのだそうです。「自然食に慣れている僕は美味しく感じますが、他の人はどうなのでしょう」。ちょっと変わっているけど味わい深い人です。(本人提供)
アロエのジュレ。花粉症を治すために飲んで「人体実験中」なのだそうです。「自然食に慣れている僕は美味しく感じますが、他の人はどうなのでしょう」。ちょっと変わっているけど味わい深い人です。(本人提供)

※文中の受けオネット会員は仮名です。吉野伸一さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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