夢の「宇宙太陽光発電」究極のクリーンエネルギーは実現するのか?
究極のクリーンエネルギー「宇宙太陽光発電システム」をご存知でしょうか?現在世界各国で研究が進められているその巨大な建造物について、本記事では詳しく解説していきます。
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■宇宙太陽光発電衛星ってどんなもの?
まず宇宙太陽光発電とは、軌道上に太陽電池を搭載した衛星を配置し、発電した電気をマイクロ波に変換して地上に送信するシステムのことを言います。
最初の構想は、1968年に米国のピーター・グレイザー博士が提唱したのが始まりです。石油や天然ガスなどの化石燃料はあと100年を経たずして枯渇してしまうと言われています。一方で宇宙太陽光発電は、持続可能な社会を実現できるエコエネルギーとも考えられています。最近では、電気自動車やSDGsなど、多くのエコ関連の言葉が行き交っていますが、宇宙太陽光発電は究極的な方法となるかもしれません。
■宇宙での発電効率は地上の10倍!?
ただ、地上でも太陽光発電ができるのだから、宇宙に衛星を打ち上げて発電しなくても良いのでは?と思う方もいるかもしれません。実は、宇宙での発電効率は地上の10倍と非常に高いためです。
まず、地上ですと夜は発電できませんが、宇宙では太陽の光を常に浴び続けることができます。更に、雨や曇りなども宇宙では存在しないため、発電できない日が存在しません。極めつけに、晴れの日でも実は普段私達が吸っている空気によって太陽光が吸収されているのですが、宇宙には空気がないので最大効率で発電が可能となるのです。
■マイクロ波を浴びると人間は黒焦げになる?
巷のうわさで、「鳥がマイクロ波の中を飛ぶと焼き鳥になる」といわれていますが、ご安心ください。宇宙からは100万kWと大量のエネルギーが送られてきますが、地上には2.5kmなどの広範囲に照射を行います。この時の強度は太陽光と同程度であり、仮に不具合が起きて皆さんに照射されてしまったとしても、瞬時に黒焦げになることはないのです。ただ、常にそこでマイクロ波を浴び続けるのは健康には良くないので、早めに移動しましょう。
夢のような太陽光発電衛星ですが、まだ世界的に実用化はされていません。やはり、太陽電池パネルの大型化や送電技術などの技術的な課題や、大型構造物であることから巨大なコストも問題の一つです。次回の記事では、建設計画が進められている、各国の状況をご紹介していきます。
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