フランス女子W杯メンバーが発表!23名メンバー紹介(4)
6月7日から7月7日かけて、フランスで開催される女子W杯に臨むなでしこジャパンのメンバー23名が5月10日(金)に発表された。
選ばれた23選手のうち、ここではFW登録の選手を紹介する。
(写真はすべて筆者撮影)
【FW(6名)】
9 菅澤 優衣香 スガサワ ユイカ(浦和レッズレディース/28歳/CF)
ポストプレーとヘディングの強さに特徴があり、クロスやセットプレーで強力なターゲットになれる貴重な存在。代表歴は10年目と長く、攻撃陣で数少ないW杯経験者の一人だ。15年の前回W杯のカメルーン戦で決めた打点の高いヘディングは印象深い。高倉ジャパンではすべてのタイトルにレギュラーとして関わり、昨年8月のアジア競技大会では準決勝と決勝でゴールを決め、優勝の原動力になった。今季は浦和でリーグ戦7試合で7ゴールとハイペースで得点を重ねており、4年ぶりの得点王も現実味を帯びる。昨年に比べてより広いエリアで攻撃に関わるようになり、その成長を「代表に生かしたい」と意気込む。これまで菅澤が代表でゴールを決めた試合は、13勝1分で無敗というデータがある。2度目のW杯でもそのジンクスを継続させたい。
8 岩渕 真奈 イワブチ マナ(INAC神戸レオネッサ/26歳/CF,トップ下,SH)
若い頃から未来を嘱望されてきた天才ストライカーは、18歳でドイツW杯優勝、19歳でロンドン五輪準優勝に貢献。その後、5シーズンプレーしたドイツではバイエルン・ミュンヘンでリーグ優勝を経験するなど、圧倒的なキャリアを積み上げてきた。26歳になった現在は、攻撃を牽引するリーダー格だ。最大の武器は、シザースや深い切り返しを交えた変幻自在のドリブルで、重心の低いキープも魅力だ。高倉ジャパンでは相手が強ければ強いほど存在感が際立ち、昨年はW杯アジア予選とアジア競技大会の2冠に大きく貢献した。ケガで今年に入ってから代表の活動には参加していないが、リーグ戦はコンスタントに出ている。新戦力とのコンビネーションは未知数だが、「自分が若い時にしてもらったように、(若い選手たちを)生かしてあげたい」と話している。
20 横山 久美 ヨコヤマ クミ(AC長野パルセイロ・レディース/25歳/CF,SH)
高倉ジャパン屈指の決定力を誇る仕事人。ロベルト・バッジョに憧れて練習したというドリブルや、あらゆる角度から枠を捉えるシュート技術は世界水準だ。17年7月に長野からドイツのフランクフルトに1年間の期限付き移籍をして、欧州のパススピードやプレーの強度を体感。ボランチで起用されることもあり、帰国後は中盤で組み立てに関わることも増えた。今季は長野で主将になり、チーム事情から周囲を生かすプレーも増えているが、ここぞという場面での決定力は健在。クラブでも代表でも若い選手と積極的にコミュニケーションをとり、面倒見の良い一面も見せている。海外経験を経て増したキープ力も魅力だが、やはり日本に勝利をもたらす豪快な一撃に期待したい。
11 小林 里歌子 コバヤシ リカコ(日テレ・ベレーザ/21歳/CF,SH)
ポストプレー、裏への飛び出し、ドリブル突破など、多彩な崩しに対応できるオールラウンダー。状況に応じたプレーの選択が的確で、戦術理解力と適応力が光る。献身的な守備でも貢献できるが、最大の持ち味はゴールへの嗅覚だ。年代別代表で活躍したものの、15年に右膝を負傷してから約2年半も公式戦から遠ざかった。その後、昨季4月にベレーザで念願のリーグ戦初出場を果たし、徐々に出場時間を延ばすと、1月の国内合宿でフル代表に初招集。3月の代表デビュー戦から4試合で2ゴールと本領を発揮した。限られたチャンスで結果を残し、激戦区のFWで貴重な一枠を勝ち取った21歳が、今大会でレギュラーに定着しても不思議ではない。
13 植木 理子 ウエキ リコ(日テレ・ベレーザ/19歳/CF)
4月の欧州遠征で代表デビューを果たし、フランス行きのチケットを掴み取った期待の若手。スピードに乗ったドリブルと上半身のフェイントで相手を置き去りにし、コンパクトな脚の振りでゴールネットを揺らす。カットインからの右足シュートは十八番だ。ベレーザで16年にデビューを果たし、毎試合のようにゴールを決め続けた。年代別代表ではエースストライカーとして活躍し、同年のU-17W杯(準優勝)では6試合4ゴール、昨夏のU-20W杯では6試合で5ゴールを決めて世界一に貢献。フル代表に合流してまだ日が浅く、初のW杯でどれだけ力を出せるかは未知数だが、きっかけさえつかめば切り札になる可能性が高い。
19 遠藤 純 エンドウ ジュン(日テレ・ベレーザ/18歳/SH,CF)
今回、日本代表で最年少での選出となった大器。俊敏な黒豹を思わせる快足と、質の高い左足で決定機を演出する。その底知れないポテンシャルは、飛び級で選出された昨夏のU-20W杯で大輪の花を咲かせた。大会中にレギュラーの座を掴み、2ゴール5アシストの活躍で優勝に貢献。その2ヶ月後にはフル代表に初選出され、デビュー戦となった今年3月のアメリカ戦から2試合連続でゴールに絡んだ。JFAアカデミー福島の大黒柱として、昨年までは3部にあたるチャレンジリーグでプレーしていたが、今季からベレーザの一員となり、リーグ戦7試合で4得点と、国内リーグでもブレイクの気配を漂わせている。心身ともに急成長中の若きスピードスターは、世界のヒノキ舞台でその勝負強さを示すことができるか。