【国富町】古民家カフェ「Cafe No Wonderland」~美味しい料理と地域愛が紡ぐ物語
Wonderlandとは美しく、魅力的な場所という意味があります。国富で有名な古民家カフェ「Cafe No Wonderland」は、その名の通り、美しい料理と魅力的な雰囲気に魅せられた多くの人々が集まる場所です。数年前から気になっていたこのカフェに、ついに訪れることができました。
・元々は祖父母の住んでいた古民家
国富の人里離れた場所にあるこのお店は、オーナーの齋藤隆史さんの祖父母が住んでいた家を改築してカフェとしてよみがえらせました。元々農業を考えていた齋藤さんですが、この素敵な家を生かすために、カフェにしようと決めたようです。里山の中にたたずむ古民家は、敷地も建物もかつての生活感があります。
敷地内には、スプレーで無造作に書かれた「NO FUTURE」の文字が目に入ります。昔からあった落書きかもしれませんが、私の世代だと、70年代パンクの伝説的な曲、"God Save the Queen"の一節を思い出します。
緑あふれる敷地の中、メルヘンチックなブルーの看板が映えます。ではお店に入ってみましょう。
・日本古来の家屋とアートの融合
店内は、日本古来の家屋とアート感覚が見事に融合しています。センスの良さが際立っています。
・料理はイタリアン中心
齋藤さんがタリーズコーヒーで働いていた経験もあり、料理はピザやパスタを中心としたイタリアンです。
今回はランチタイムに訪れ、ピザランチとパスタランチを注文しました。ピザは「バンビーノ」(ツナ・コーン・ベーコン)、パスタは「パセリとベーコンのペペロンチーノ」を選びました。まずは前菜として、地元の野菜を使ったサラダとスープ。
そしてメインのピザとパスタ。
バンビーノ(ツナ・コーン・ベーコン)
ピザは石窯で焼きあげられて、もっちもっち。焦げ具合が絶妙で、味のアクセントとなっています。焼き加減に相当こだわりが感じられます。
パセリとベーコンのペペロンチーノ
ペペロンチーノはとても良質のオリーブオイルを使っていて、ガーリック、ベーコンとの味のバランスが絶妙で、とてもおいしいです。
・独学で極めた料理
齋藤さんは、どこかの店で修行したわけではなく、完全に独学で料理を習得したそうです。元々のセンスもあるのでしょうが、相当な努力と工夫を重ねた結果だと感じます。
・店名の由来
「Wonderland」と聞いて「不思議の国のアリス」を連想する方も多いでしょうが、店名は元々マイケル・ウィンターボトム監督の映画「Wonderland」(邦題: ひかりのまち)から来ているそうです。ロンドンを舞台にした群像劇で、普通の人間の美しさや儚さが描かれています。私はまだ観ていませんが、この店の雰囲気とリンクしている部分があるのでしょう。そして、もちろん「不思議の国のアリス」の世界観も取り入れられており、魅力的な場所に愛すべき人々が集う場所となっています。
・地域通貨「しらたまカード」使用の際のポイントサービス
齋藤さんは国富の活性化のために、国富町商工会の役員としても活動しています。商工会が2024年から導入した地域通貨「しらたまカード」にも積極的に協力し、独自のポイントサービスを行っています。毎週金曜日は、利用額の10%がポイントとして付与されるので(2024年12月27日まで)、1,000円の食事で100ポイントが付き、現金として使えます。利用しない手はありません。
しらたまカードについては、以前の紹介記事を参照してください。
【国富町】地域通貨の「しらたまカード」はお得なだけじゃない~地域活性化に一役買う充実感
・国富に対する想い
コロナ禍で多くの飲食店が打撃を受けた中、国富も例外ではありません。どうすれば町に元気を取り戻せるか、日本全国で真剣に考えられていますが、答えは簡単には見つかりません。それでも今住んでいる町に対する愛があれば、道は見えてくると思います。今回、齋藤さんと長い時間お話をしましたが、半分は町の活性化についての話題でした。国富に対する愛。それが多くのお客さんが集まってくる理由なのでしょう。私自身も、自分の住む綾町に対して何ができるだろうと考えさせられました。