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5日後に防衛戦を控えた世界スーパーフライ級8位

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
撮影:筆者

 11月12日に日本スーパーフライ級タイトル3度目の防衛戦を迎える高山涼深。今回の挑戦者は12位の青山功だ。このカードは本来7月に組まれていたが、高山が急性胃腸炎となったことで延期された。

 OPBF東洋太平洋1位までランクを上げた高山は、空位となった同スーパーフライ級王座決定戦に出場する道もあったが、自ら穴を空けた青山戦を優先し、後楽園ホールのリングに上がる。

撮影:筆者
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 「まずは、体を戻すことを第一に考え、1カ月ちょっと前から、実戦よりも走り込みを中心にコンディションを整え始めました。そんな頃、中谷潤人チャンピオンからスパーリングパートナーに呼んでもらって、10月5日に5ラウンド、胸を借りました」

https://gendai.media/articles/-/138788?page=1&imp=0

撮影:筆者
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 WBCバンタム級チャンピオンとして、井上尚弥を猛追する中谷に、高山は大いに刺激を受けた。

 「一つ一つの動きにテーマを持って取り組む様子を目の当たりにして、本当に勉強になりました。ボクシングへの姿勢にはリスペクトしかありません。あれ以来、僕もラウンドごとに課題を作るようにしています。前の手をどう動かそう、距離の取り方、タイミングの計り方などを意識するようになりました」

撮影:筆者 チットパッタナ戦前日のWBCバンタム級チャンプ
撮影:筆者 チットパッタナ戦前日のWBCバンタム級チャンプ

 10月14日、ペッチ・ソー・チットパッタナを第6ラウンド2分59秒でKOした中谷の戦いぶりからも、学ぶ点が多かった。

 「中谷選手は、もの凄く考えて試合を組み立てていましたね。体の使い方、可動域、連動性、相手をいかに動かすかなど、練習で積み重ねたことを自然にリングに出しているように見えました。

 僕とのスパーリングも、このラウンドはジャブを多くとか、ディフェンス主体でとか、アッパーを中心にとか、様々なテーマを持っていました。流石だなと唸らされることばかりでしたね」

撮影:筆者
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 自分の良さを見失わず、真似できるところは可能な限り取り入れて、高山も調整を続けた。

 「青山さんは頑張るタイプで、12敗のうちKO負けは2つのみと粘り強い選手だという印象です。中間距離で淡々と戦いますよね。削って削って、ダメージを蓄積させてフィニッシュに持ち込みたいです。見る人に、『高山、強くなって帰ってきたな』と感じて頂ける試合にしなくては、と考えています」

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 WBAで8位、WBCが10位、IBF8位、WBO9位とランキングを上げてきた日本スーパーフライ級チャンピオンは、12日、後楽園ホールでいかなるパフォーマンスを見せるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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