Yahoo!ニュース

サヨナラ満塁本塁打に続き、次の試合で先頭打者本塁打を打つ。この2打席連続ホームランは史上初

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)Jun 15, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月15日、ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)は、1点ビハインドの10回裏、無死満塁の場面で打席に入り、ホームランを打って試合を終わらせた。その翌日、アルトゥーベは、1回裏に1番打者としてホームランを打った。

 スタッツ社によると、サヨナラ満塁本塁打に続き、チームの次の試合で先頭打者本塁打を記録したのは、アルトゥーベが史上初だという。ちなみに、先頭打者本塁打を打った6月16日は、8回裏にもホームランを打った。

 満塁ではない場面のサヨナラ本塁打と先頭打者本塁打の2打席連続は、2017年以降に少なくとも3人が記録している。2017年4月5日と6日のジョージ・スプリンガー(当時アストロズ/現トロント・ブルージェイズ)、同年7月27日と28日のブレット・ガードナー(ニューヨーク・ヤンキース)、2019年4月19日と20日のチャーリー・ブラックモン(コロラド・ロッキーズ)がそうだ。それぞれのサヨナラ本塁打は、3ラン、ソロ、2ランだった。先頭打者本塁打は、ソロしかあり得ない。

 さらに遡ると、2007年8月3日(ソロ)と4日のスコット・へアストン、1995年5月6日(2ラン)と7日のジェローム・ウォルトン、1990年8月5日(2ラン)と6日のロベルト・ケリー、1989年8月4日(ソロ)と5日のマリアーノ・ダンカン、1987年5月15日(ソロ)と16日のルー・ウィテカー……。その前にも何人か記録していて、その間にもいるかもしれない。

 一方、先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打を同じ試合で打った選手は、ベースボール・アルマナックによると、6人だ。1893年5月17日のビリー・ハミルトン、1957年5月7日のビク・パワー、2000年6月25日のダリン・アースタッド、2003年6月15日のリード・ジョンソン、2009年7月19日のイアン・キンズラー、2010年8月7日のクリス・ヤング。こちらは、サヨナラ満塁本塁打もサヨナラ3ラン本塁打もおらず、サヨナラ2ラン本塁打もキンズラーだけだ。

 史上初の、同じ試合で先頭打者本塁打とサヨナラ満塁本塁打も、もしかすると、アルトゥーベが記録するかもしれない。2016年の5月下旬から昨シーズンまでは、2番あるいは3番を打つことが多かったが、スプリンガーがアストロズからブルージェイズへ移った今シーズンは、開幕から1番打者として出場している。一方、今シーズン、スプリンガーは4試合しか出場していない。

 アルトゥーベの通算148本塁打中、先頭打者本塁打は20本(ホームで12本)、サヨナラ本塁打は2本(1本目はソロ)、満塁本塁打は4本、1試合2本塁打は5度。レギュラーシーズンの1試合3本塁打以上はないが、2017年のディビジョン・シリーズ第1戦で3本のホームランを打っている。今シーズンの15本塁打中、先頭打者本塁打は6本(ホームで4本)、サヨナラ本塁打と満塁本塁打は1本(同じホームラン)、1試合2本塁打は6月16日の1度だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事