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ラグビーU20日本代表、6月の世界大会に臨むメンバー28名発表!主将はFL古川(立命館大2年)

斉藤健仁スポーツライター
中竹HCと古川。代表キャップも獲得した古川(左)がチームを牽引(撮影:斉藤健仁)

5月23日、東京・日本ラグビー協会で「ワールドラグビーU20チャンピオンシップ2016」(6月7日~25日、イングランド・マンチェスター)に出場するU20日本代表のメンバー発表記者会見が行われた。登壇者はU20日本代表中竹竜二ヘッドコーチ(HC)、FL古川聖人(立命館大2年)キャプテンの2人。

◇「ワールドラグビーU20チャンピオンシップ」とは……

「ワールドラグビーU20チャンピオンシップ」とは世界の12カ国のチームが参加するU20世代のラグビーの世界一決定戦で、U20日本代表は昨年から昇格して参戦し、見事10位となって残留を決めた。最下位(12位)は下部大会に当たるジュニアワールドトロフィーへと降格する。

今大会はイングランドのマンチェスターで開催され、U20日本代表はプールCに入り、南アフリカ(6月7日)、フランス(11日)、アルゼンチン(15日)と対戦。予選プールの結果によって1~4位、5~8位、9位~12位に分かれて、20日と25日に順位決定戦を行い、最終順位を決定する。

プールA:ニュージーランド、ウェールズ、アイルランド、ジョージア 

プールB:イングランド、オーストラリア、スコットランド、イタリア

プールC:南アフリカ、フランス、アルゼンチン、日本

※勝ち点で争われ、ベスト8(8位=プール戦で3位のうち勝ち点で2番目に多いチーム)以内になれば、その時点で、来年の今大会の残留が決まる。また9位~12位決定戦に回ってしまっても、1勝すれば残留となる。

◇目標は「打倒・フランス」、そしてベスト8!

中竹HCはまず選手選考と大会の目標について、下記のように述べた。

「今年は去年と比べてU20日本代表だけの遠征が1回もなくて選考は難しかった。合宿の中のパフォーマンスや、合宿から合宿の成長率や伸びシロも含めて選手を選びました。今回、チームとして『トリプルアクション』というスローガンを掲げていますが、細かいスキルが上手い下手よりも、ワークレイトを高く、何度でも立ち上がってという戦いをします。それに見合った28名を選考しました。

予選プールで南アフリカ、フランス、アルゼンチンと対戦しますが、フランスを倒すことを目標にしています。去年、ワールドカップで日本代表が挙げたような勝利をして、ベスト8に入りたい」

中竹HCは、「なぜ打倒・南アフリカではなく、打倒・フランスという目標にしたのか?という問いに、「フランスとは昨年も対戦していますし、リベンジということもありますし、初戦の南アフリカより強いかもしれない。もちろん、南アフリカにも本気で勝ちに行きます。打倒・フランスを目標にして掲げてチーム作りをしていますが、今のところ順調です」と答えた。

◇キャプテンにはFL古川(立命館大2年)を指名!

中竹HCは、FL古川をキャプテンに指名した理由を「最初に会ったときに、キャプテンは彼にしようと思った。彼のリーダーシップ、ラグビーに対する姿勢、メンバーに対するコミュニケーションの取り方は、この世代のリーダーを見た中では群を抜いていて、迷うことなく決めました」と説明し、「彼は体大きくないですが、『トリプルアクション』を体現してくれる一番の選手」とプレー面での期待も大きい。

そのFL古川キャプテンは「自分としては『トリプルアクション』を意識して、低いタックルを何度したい。チームとしては『ビート・レ・ブル』、フランスを倒すことを目標にしています。『Action』、つまり自分たちから仕掛けるラグビーをして、中竹HCが言うような勝利を日本にもたらして、目標を達成したい」と意気込んでいる。

◇初戦はワールドカップと同じ南ア戦!

U20日本代表は、5月29日に渡欧し、6月2日にU20スコットランドと練習試合をして、本番に備える。

中竹HCは「昨年のワールドカップでジャパンが南アフリカに勝って奇跡みたいなことを言われているので、今年は強さを証明しようという話をしています。世界を驚かせるのではなく、『(日本はラグビーが)やっぱり強くなっているんだな』と思われるように普通に勝ちたい」と大会の抱負を語った。

U20日本代表は、日本代表が昨年のワールドカップで結果を残したイングランドの地で、再び旋風を巻き起こし、「ビート・レ・ブル」、そして、「エディー・ジャパン」を超えるベスト8という目標を達成することができるだろうか。

◇U20日本代表 遠征メンバー(28名)

※ アジアラグビーチャンピオンシップ 2016 日本代表メンバー

FW(16 名)

PR金子 惠一(中央大2年、東福岡高出身)

PR齊藤 剣(明治大2年、能代工業高出身)

PR田代 頌介(明治大2年、秋田工高出身)

PR當眞 琢(帝京大2年、コザ高出身)

PR土山 勇樹(法政大2年、東福岡高出身)

HO祝原 涼介(明治大2年、桐蔭学園高出身)

HO竹内 嘉章(近畿大2年、東福岡高出身)

LO秋山 大地(帝京大2年、つるぎ高出身)

LO藤田 達成(帝京大2年、東福岡高出身)

LO堀部 直壮(同志社大2年、筑紫高出身)

FL井上 遼(明治大2年、報徳学園高出身)

FL申 賢志(帝京大2年、大阪朝鮮出身)

FL古川 聖人(立命館大2年、東福岡高出身) ◎主将  ※

FLファウルア・マキシ(天理大2、日本航空高校石川出身) ※

FL眞野 泰地(東海大1年、東海大付属仰星高出身)

NO8テビタ・タタフ(東海大2年、目黒学院高出身) ※

BK(12名)

SH中嶋 大希(流通経済大3年、深谷高出身) ※

SH齋藤 直人(早稲田大1年、桐蔭学園高出身)

SO金井 大雪(法政大2年、深谷高出身)

SO松尾 将太郎(明治大2年、東福岡高出身)

CTB永富 晨太郎(同志社大2年、東福岡高出身)

CTB渡邊 弐貴(明治大2年、國學院栃木高出身)

CTB前田 土芽(筑波大2年、海星高出身) ※

CTBアタアタ・モエアキオラ(東海大2年、目黒学院高出身) ※

WTB安田 卓平(同志社大2年、同志社高出身) ※

WTB高野蓮(同志社大2年、東福岡高出身)

WTB山田 大生(宗像サニックス、東海大付属第五高出身)

FB山村 知也(明治大1年、報徳学園高出身)

※スタッフ

ヘッドコーチ:中竹 竜二(日本ラグビー協会)

FWコーチ:遠藤哲(日本ラグビー協会)

BKコーチ:竹内 克(NZ RUGBY LINKS)

S&Cコーチ:芦澤 孝之(日野自動車レッドドルフィンズ)

ドクター:吉川 大輔(宮崎江南病院)

トレーナー:阿部 陽介(日本ラグビー協会)

トレーナー:伊津野 立一(あっぷる鍼灸整骨院)

分析:佐々木 陽平(静岡聖光学園高)

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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