Yahoo!ニュース

40度以上の炎暑は、これまでのべ70回観測、約7割がこの10年余りで出現

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
気温の予想(ウェザーマップ)

40度以上の約7割がこの10年余りで観測

40度以上の観測(気象庁のデータをもとに筆者が作成)
40度以上の観測(気象庁のデータをもとに筆者が作成)

関東以西では、まるで梅雨明けをしたかのような夏空と猛暑が続いていて、特にきのう7日(日)は、静岡で40.0度などを観測し、まさに七夕炎暑とでも言いたくなるような危険な暑さとなりました。(関連記事

この40度以上の炎暑に注目すると、きのう7日(日)静岡で観測した初の40度で、これまでに35地点、のべ70回目の観測となりました。上図に示した通り、このうち2013年以降では51回観測されていて(それ以前は19回)、この10年余りで、約7割が観測されていることになります。(気象庁による歴代記録

これは地球温暖化や海水温の高さに加えて、都市化の影響も加わっているものと思われ、この先、さらにこの40度以上の炎暑が頻発するようなことになるかもしれません。そして、きょう8日(月)40度以上まで上がる可能性があります。

上空の際立った暖気はまだ残る

上空の暖気予想(ウェザーマップ)
上空の暖気予想(ウェザーマップ)

上図は上空1500メートル付近の気温(暖気)の予想を示したものです。関東以西には赤色の平年より高い暖気が流れ込んでいますが、注目はきょう8日(月)15時に関東などを覆っている24度以上の暖気です。この暖気は、晴れれば、海風の届きづらい内陸で40度近くまで上がる可能性のある暖気で、風が山を越えて吹き下ろすなどのフェーン現象が加われば、40度以上まで上がってもおかしくない暖気といえます。

きのう7日(日)の静岡に続き、きょう8日(月)も関東甲信や東海で、局地的に40度以上が出現する可能性があります。また40度まで上がらないまでも、体温超えの危険な猛暑の所が多くなりますので、引き続き、熱中症には厳重な警戒が必要です。きょう8日(月)これまでの最高気温の状況です。東京地方には5日連続で発表されるなど、熱中症警戒アラートが、関東以西の多くの地域に発表されています。厳重に警戒して下さい。

なお、あす9日(火)からあさって10日(水)にかけては、暖気がピークを超え、24度線は陸上に見られなくなりますが、それでも21度以上の暖気は残っていて、局地的にはもっと高い暖気が残っていたり、晴れ具合やフェーン現象の影響があったりした場合は、あさって10日(水)頃まで、体温を大きく超え、40度に迫るような炎暑が続くおそれもあります。

猛暑とともに大雨にも十分警戒を

雨雲の予想(ウェザーマップ)
雨雲の予想(ウェザーマップ)

関東以西が猛暑の一方で、梅雨前線の停滞する東北や北陸では、所々で、大雨となっています。上図のように、これから数日間は梅雨前線に伴う雨雲が山陰から北陸、東北方面を指向し、いつ激しい雨や猛烈な雨を伴って、極端な大雨となってもおかしくない状況が続きます。まさに梅雨末期の豪雨型の気圧配置です。

少なくとも11日(木)頃までは、危険な気圧配置が続き、雨の降り方によっては、土砂災害、浸水、洪水の危険が急激に高まる可能性があります。

気象庁の発表では、東北や北陸の多い所で、あす9日(火)午前6時までの24時間に、120ミリから150ミリ、その後、あさって10日(水)午前6時までの24時間に、100ミリから120ミリの大雨が予想されていて、この雨が数時間で降るようなことも十分に想定内です。

気象庁の大雨情報や雨の降り方、自治体からの避難情報などに、十分注意をしてください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事