Yahoo!ニュース

銀河戦過去2回優勝・藤井聡太七冠、今期も決勝T進出なるか? ブロック最終戦で強敵・近藤誠也七段と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 10月31日。第32期銀河戦・本戦Hブロック最終11回戦、藤井聡太七冠-近藤誠也七段戦が放映されます。

 本局の勝者は決勝トーナメントに進出します。

 囲碁・将棋チャンネルの番組表によれば、本局の収録日は7月26日です。

3回目の優勝目指す藤井七冠

 将棋界の頂点に立つ藤井七冠。2022年度、23年度とトーナメント制早指し4棋戦ですべて決勝進出という快挙を達成しています。

 藤井七冠は本棋戦で優勝2回の実績を誇ります。昨年は決勝で丸山忠久九段に敗れ、準優勝となりました。


 はたして今年度はどうなるでしょうか。

若手実力者・近藤誠也七段

 近藤七段は今期10回戦で三浦弘行九段と対戦しました。棋譜は公式ページで公開されています。


 近藤七段先手で、相居飛車から互いに菊水矢倉(しゃがみ矢倉)に組み合う進行となりました。


 仕掛けたのは後手・三浦九段で、銀を捨てて猛攻を仕掛けていきます。対して近藤七段は的確に応対。近藤七段優位で終盤戦に入ります。

 最終盤では近藤七段が一手争いを制し、最後はきれいに三浦玉を詰ませて、129手で勝ちとなりました。

 近藤七段は本棋戦参加は8期目。まだ決勝トーナメントの経験はなく、今回勝てば、初の進出となります。

過去の対戦は藤井七冠リード


 藤井七冠と近藤七段は過去に7局戦い、藤井6勝、近藤1勝という成績が残されています。

 近藤七段があげた1勝は2018年度のC級1組。この勝敗は大きく、近藤七段が昇級争いで競り勝つことになりました。

 銀河戦では2019年2月に対戦(▲藤井七段-△近藤五段)。棋譜はこちらで公開されています。

 藤井七段先手で、戦型は角換わり。見応えのある攻防を経て、最後は藤井七段がいつもながらに鮮やかな寄せを見せ、近藤七段の玉を詰ませて、109手で終局となりました。

 両者は居飛車党。本局もまた相居飛車の戦いが予想されます。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

松本博文の最近の記事