昨年と比べ、出塁率とOPSが最もアップしたのは村上宗隆。最もダウンしたのは…
2021年と2022年のどちらも規定打席に達した選手は、セ・リーグに20人、パ・リーグは13人いた。
計33人のうち、昨シーズンと比べ、今シーズンのOPS(出塁率+長打率)が最もアップしたのは、村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)だ。昨シーズンのOPSも.974と高かったにもかかわらず、そこから194ポイントも上がっている(.001=1ポイントとして表記)。これは、今シーズンの打撃の凄まじさを示している。村上は、出塁率とISO(長打率-打率)のアップの幅も、他の選手を凌いだ。
出塁率とOPSのどちらも、村上に次いでアップが大きかった3人は、共通する。阪神タイガースの大山悠輔と佐藤輝明、中日ドラゴンズの大島洋平だ。大山の打率とISOはあまり変わらず、両スタッツともアップは10ポイント未満ながら、四球率が4.3%上昇し、出塁率は45ポイント、OPSは62ポイントのアップとなった。ちなみに、ここ3年の数値は、四球率が8.7%→7.2%→11.6%、出塁率が.357→.313→.358、ISOが.272→.193→.202、OPSは.918→.765→.827と推移している。今シーズンの四球率は2年前を上回ったが、パワーを示すISOは2年前の水準に届いていない。各シーズンのホームランは、28本、21本、23本だ。
佐藤の2年目は、四球率が3.0%上がった(5.5%→8.5%)のみならず、三振率は15.3%も下がった。ISOは22ポイント下がり、ホームランも24本→20本と減ったが、長打は49本→63本と増えている。
一方、出塁率もOPSも、ダウンが最も大きかったのは、桑原将志(横浜DeNAベイスターズ)だ。OPSは、昨シーズンの.843に対し、今シーズンは.676。167ポイントのダウンだ。110ポイント以上のダウンは、桑原しかいない。OPSのリーグ順位は、8位(32人中)からワースト7位(27人中21位)に下がった。もっとも、四球率は7.7%→7.9%とほぼ同じ。また、ここ2シーズンのトータルOPS.763は、出場100試合以上の他シーズン、2016~18年にそれぞれ記録したOPSに近い。この3シーズンは.769と.747と.746だった。
岡本和真(読売ジャイアンツ)のISOは48ポイント下がったが、それでも.210を超えている。昨シーズンの.265はリーグ3位、今シーズンの.217は2位だ。
2020年→2021年のアップ&ダウンについては、こちらで書いた。