このチームは開幕前にローテーション崩壊!? 前年に先発15登板以上の5人中4人が怪我に見舞われる
昨年、マイアミ・マーリンズは、2010年以降では最多の84勝を挙げ、ナ・リーグ東地区の3位ながら、ワイルドカードをゲットした。
666得点は15チームのなかで最も少なく、ブルペン防御率4.37は5番目に高かった。その一方で、先発防御率4.09は3番目に低く、サンディエゴ・パドレスの3.69とミルウォーキー・ブルワーズの3.94に次いだ。
先発15登板以上の5人は、いずれも退団していない。けれども、彼らのうち、今年の開幕ローテーションに並ぶのは、ヘスス・ルザードだけだ。
サンディ・アルカンタラは、10月にトミー・ジョン手術を受けた。ブラクストン・ギャレットとエドワード・カブレラは、今春、相次いで肩を痛めた。
さらに、3月13日に登板したユーリー・ペレスは、右手中指の爪の割れにより、14球を投げたところで降板した。その後、肘の痛みを訴えていて、ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンらによると、医師の診察を受けるという。
開幕ローテーションは、ルザード、A.J.パック、トレバー・ロジャース、ライアン・ウェザースの左投手4人にあと1人、となりそうだ。ルザードに続く3人とも、期待値は必ずしも低くない。
パックは、1年前のトレードでオークランド・アスレティックスから移籍した。これまで、メジャーリーグの先発マウンドに上がったことはない。リリーバーとして142試合に登板し、昨年は15セーブを挙げた。もっとも、ドラフト順位は2016年の全体6位と高く、実現はしなかったものの、アスレティックスでも、先発転向の話は出ていた。ちなみに、パックに次ぐドラフト全体7位は、現在のチームメイト、ギャレットだ。こちらは、マーリンズに指名された。
ロジャースとウェザースのドラフト順位は、2017年の全体13位と2018年の全体7位だ。ウェザースは、サンディエゴ・パドレスに入団し、昨夏のトレードでマーリンズへ移った。ロジャースは、メジャーリーグ2年目の2021年に、133.0イニングで防御率2.64を記録している。
また、マックス・マイヤーは、2020年のドラフト全体3位だ。投手では最初に指名された。2022年の夏にメジャーデビューし、2登板後に肘を痛め、トミー・ジョン手術を受けた。今春は、3登板で計7イニングを投げて1失点(自責点0)。3月12日にAAA行きが決まったが、順調にいけば、シーズン途中の昇格もありそうだ。
なお、マーリンズに限らず、投手の怪我は増えている印象がある。昨年、メジャーリーグは、ピッチ・クロックを導入した。怪我とピッチ・クロックの相関関係は明らかではないが、明らかではないにもかかわらず、今年、走者がいる時の制限時間は、20秒から18秒に短縮される。