「お金がない」悩みを解決!サステナブルな北欧クリスマスマーケット
「持続可能な選択をしやすい日常生活を市民に提供する」意識はノルウェーの各自治体で年々と高まっている。
11月18~24日はオスロ市が各団体と共同で「リユース週間」を開催。
「持続可能な消費と再利用の促進」をするためのヒントとインスピレーションを広げる活動を各地で行う。電子機器の修理、裁縫講座、洋服の交換市など、市内では40以上のイベントが開催予定だ。
「オスロ全土をエキサイティングで教育的なリユース・アクティビティで埋め尽くす!」という元気な掛け声のもと、リユース週間のオープニングイベントとして、オスロ市庁舎では「リユースのクリスマスマーケット」が開催された。
毎年ノーベル平和賞の授与式ともなるホール全体がクリスマスの雰囲気に溢れる。「環境に優しい」クリスマスプレゼントや飾りを作りたいと、市民や子どもたちが楽しそうに時間を過ごしていた。
市民は再利用したい布製品、交換したい洋服、修理したいおもちゃなどを持参。衣服交換、古いテーブルクロスや余った毛糸でギフトバッグやクリスマスの飾りを作ったり、壊れたおもちゃを修理したり、家に残っていたものでアドベントカレンダーを作ったりした。
中には片方しかない手袋の片割れ同士を組み合わせて、色やデザインは違うけれどペアとして使おうという「手袋の結婚相談所」なども設けられた。
クリスマスの時期を楽しみにしている人もいれば、不安に感じている人もいる。家族と過ごす時間を重荷に感じる人もいれば、楽しみだがプレゼントや料理を用意する経済的余裕がないという人もいる。
光熱費や家賃が上がり続ける中、経済的不安を抱える子どもがいる家庭にとっては12月は悩みの時期だ。
同時に、金銭的に消費せざるを得ない時期でもあり、肉料理が増える冬は「サステナブルなクリスマスを過ごしたい」と思っていても難しい時期でもある。
市庁舎のクリスマスマーケットはそのような両者のフラストレーションを解決する空間となっていた。
「家にある残り物で新しいものを作れる」楽しみを子どもたちに教えるという教育的な目的にも成功。
普段は人気の観光スポットでもあり、政治の決定が行われる政治家の職場、ノーベル平和賞の授与式会場でもあるオスロ市庁舎が、この日はミシンや古着・古本で埋め尽くされた。
入場料も購入費も支払わなくていいので、市民の財布に金銭的な負担はかからない。
このような空間を提供するのも「政治家・自治体の仕事だ」という責任感は、日本でももっと広がるといいかもしれない。