ピッチ・クロックが飲酒運転の危険を高める!?
今シーズンから導入されたピッチ・クロックは、試合時間を縮めている。ベースボール・リファレンスによると、1試合の平均時間は、昨シーズンの3時間3分に対し、今シーズンはここまで、2時間37分だという。30分近い短縮だ。
その一方で、こんなことも起きている。これまで、多くの球場は、7回裏が終わった時点でビールの販売を停止していた。だが、今シーズンに入り、いくつかの球場は、ビールを売るリミットを8回裏が終わるまでに変更している。
試合時間が短くなったことによる、売れ行きの減少を防ぐ、あるいは補うため、イニングを伸ばしたということだ。
マット・ストローム(フィラデルフィア・フィリーズ)は、ポッドキャストのベースボール・イズント・ボアリング(ベースボールは退屈じゃない)で、このイニング延長に反対している。
試合終盤にビールの販売をしないのは、試合後、車を運転するまでに観客の酔いを醒まさせるのが目的のはず。であれば、試合のペースが速くなっているのだから、ビールの販売は6回裏までにすべき。これが、ストロームの意見の概略だ。
確かに、これまでと同じ7回裏までの販売のままでも、そこから試合終了までの時間――酔いを醒ます時間――は、従来よりも短くなっているはずだ。最初の7イニングの時間だけが短縮されているとは、考えにくい。
そもそも、車を運転してきた観客が試合中にビールを飲むこと自体がいいことだとは思えないが、販売するイニングの延長は、飲酒運転による事故の危険を高めかねない。