2月28日に東京・国立競技場で行われた、パリ五輪出場を懸けた女子アジア最終予選。女子日本代表(なでしこジャパン)vs女子北朝鮮代表の試合は、日本が2-1で勝利し、2大会連続6回目の本大会出場を果たした。
この試合については、すでに大量の情報が流布されている。本稿では激闘の模様を写真で振り返りつつ、この勝利の「重み」について考えてみたい。
サウジアラビアでの第1戦から、中3日で東京での第2戦。移動距離の長さと気候の違いに加え、なかなか試合会場が決まらない「政治的な事情」にも翻弄された。そんな中で手にしたパリへのチケット。ちなみに日本の五輪予選突破は、澤穂希や宮間あやが健在だった、2012年ロンドン大会以来である。
FIFAが主催する女子ワールドカップは、日本が優勝した2011年大会までは16カ国の出場枠だったが、その後は24カ国(2015年)、さらには32カ国(2023年)と増加傾向にある。しかし五輪は16カ国のまま。今回の北朝鮮のような、本大会のノックアウトステージ進出が期待できるチームでも、大陸予選で涙を飲むという過酷ぶりである。
日本もまた、2016年のリオデジャネイロ五輪予選では、予選敗退という厳しい現実に直面。キャプテンとして初めて、五輪予選に臨んだ熊谷紗希は「女子サッカーの未来のためにも、絶対に勝たなければならないと感じていたし、それを選手全員に伝えた」と語っている。そうした思いの結実が、今回の結果につながった。
確かに試合そのものは、非常に見応えのあるものだった。その一方で、この勝利が持つ重みについても、われわれは思いをめぐらせるべきだろう。その上で、なでしこジャパンに関わるすべての人々に、心からの祝福と本大会へのエールを贈りたい。
<この稿、了。写真はすべて筆者撮影>