イモムシ女子に人気のビックリ目玉=アケビコノハ幼虫#イモムシ
成虫の枯れ葉擬態で有名なアケビコノハという蛾は、幼虫もまた魅力的だ。背中に大きな目玉模様を、左右2対、計4つ配置したその姿は、イモムシ好きの女子の間で特に人気が高い。背中の目玉模様部分と三角形のお尻を突き上げた奇妙な姿勢が、この幼虫の得意ポーズだ。
このポーズは恐らく、天敵に対する威嚇姿勢なのだろう。アケビの茂みの中で、この姿に出会った鳥は、蛇に睨まれたのかと慌てふためき、逃げていくかもしれない。
幼虫の色彩は、基本的にダークブラウンと緑の2種類。ダークブラウン系の方が、目玉模様に迫力があり、全体の柄も美しいと思う。
天敵撃退効果があると思われるビックリ目玉模様は、虫好き、イモムシ好きの目には可愛いアクセント、愉快な芸術作品と映る。イモムシ女子の中には、この幼虫を見つけるとキャーキャーと歓喜の叫びを上げる者もいる(虫嫌い女子には絶対理解できない行動だ)。
虫撮りが趣味の人々がこの幼虫を見つけると、前から、上から、横から、あらゆるアングルの写真を撮りまくる。素敵なプロポーションのモデルさんを前にして「いいね、いいね、そのポーズ」などと言いながらシャッターを切りまくるファッションカメラマンも、きっと同じような気分なのだろう(だいぶ違うかも)。
道端のアケビやムベ(アケビ科植物)の茂みの下に、イモムシの糞がたくさん落ちていたら、緑の葉の中にきっとアケビコノハの幼虫がいる。そして、もしこのビックリ目玉の幼虫を見つけることができたら、あなたはきっとイモムシ好き(またはイモムシ恐怖症)になるだろう。(写真は特記しない限りすべて筆者撮影)