巨大な雲域の台風21号 師走に日本(小笠原)へ接近すれば17年ぶり
今後強い勢力に発達へ
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赤い丸の中に日本列島を覆いつくすような巨大な雲域を持った台風21号があり、きょう1日(水)午後3時現在、中心気圧985hPa、最大風速30メートル、最大瞬間風速40メートルの暴風域を持つ台風へ発達し、北西方向へ進んでいます。
現在、フィリピンの東海上の海水温は、平年より高く、30度近くもあるため、今後も一段と発達する見込みで、あす2日(木)には強い勢力となり、その後北東に転向しつつ、北緯20度を越え、あさって3日(金)午後3時には、中心気圧955hPa、最大風速40メートル、最大瞬間風速60メートルにまで強まる予想です。
その後は海水温が低くなることや北から乾いた空気を巻き込むなどして衰弱する見込みですが、今のところ、台風のまま4日(土)にかけて、小笠原諸島に近づくおそれがあり、もし台風のまま父島に接近すれば、師走としては17年ぶりの日本接近台風となります。(接近台風)
台風21号の接近に伴い、小笠原諸島では大しけや強風、大雨などのおそれがあり、今後の情報に注意・警戒が必要です。
日本に接近すれば、師走として17年ぶり
師走の台風は、その多くがフィリピン方面を指向し、仮に北上してきたとしても、はるか南を東進するか、海水温が低く、北からの寒気の影響を受けるなどして、衰弱してしまうことがほとんどのため、日本付近に接近してくることはあまりありません。
1951年以降の統計では、師走に本州付近へ接近した台風は1個もなく、沖縄への接近はわずか2個、小笠原への接近はわずか4個のみとなっています。
最も最近日本へ接近した台風は2004年の台風27号で、もし小笠原へ接近すれば、この台風以来、師走としては17年ぶりの日本接近台風となります。ちなみに小笠原へはその前年の2003年台風21号が強い勢力で12月1日に接近しています。
本州付近への接近の心配はなし
今回の台風21号も強い勢力で日本の南海上へ北上するものの、本州付近へ近付く可能性はほとんどありません。
それは太平洋高気圧が小笠原の南へ退き、本州のかなり南の位置まで、上空の強い西風(偏西風)が南下しているからです。
台風がこの偏西風を横切って北上してくることはあり得ませんので、今回の台風21号も過去の例に従い、小笠原に接近するかどうかがポイントとなりそうです。