写真好きに朗報! 今年の「PARIS PHOTO(パリフォト)」はオンラインで観られます。
世界最大級の写真イベント「PARIS PHOTO(パリフォト)」。
コロナ禍のために、昨年は開催が見送られましたが、今年は晴れて開幕しました。
会場は、改修工事中の「グランパレ」に代わり、エッフェル塔のお膝元シャン・ド・マルスに設けられた「グランパレ・エフェメール」。
第24回目となる今回は、11月11日から14日まで開催されています。
一般公開の前日プレス公開がありましたので、一足先に訪ねた会場の様子を以下にご紹介しますが、今回なんと言っても特筆すべきなのは、オンラインでも「パリフォト」出展作品が見られることです。
これまでは、入場料を払って会場に来ることでしか、このイベントを体験できませんでしたが、今回はサイトの中にあるVIEWING ROOMSというページで、名前とメールアドレスを登録することによってネット上で作品を見ることができ、購入も可能です。
コロナ禍ならばこそのこの新しい試みは、世界中の写真好き、コレクターにとってのビッグニュースと言えるのではないでしょうか。しかも、このVIEWING ROOMSは、本展終了後の3日間、11月17日までアクセスできるというのも嬉しいところです。
わざわざパリまで行かなくてもよい。人混みを気にしなくてよい。会場で足を棒にしなくてよい、等々、オンラインでの鑑賞にはメリットがたくさんあります。
いっぽう、作品のサイズ感からくる迫力、マチエール、ディテール、世界から一堂に会したギャラリーと人々のいるライブ感、そして、写真家本人と会話ができたりするというのはやはり会場でこその醍醐味。
213のギャラリーが世界中から集った一昨年と比べると、今回の出展ギャラリーは178と、数の上では減ってはいますが、実際に会場を歩いていると、規模が小さくなったという残念な感覚はあまりなくて、(これ全部観て回るのはおおごと…)と、その規模の大きさに圧倒されそうになるのはいつものことです。
歴史に名を残す写真家の作品もあれば、これからの活躍が期待される登竜門的なコーナーがあったり、盛りだくさん。28か国からのギャラリーが軒を連ねているだけあって、フランス語以外の言葉があちらこちらから聞こえてきます。
そんな中、(なんだか日本美術の影響を感じる)と、思った作品を展示している画廊のブースに入ってみると、セルフポートレイト作品のご本人がいて、「その感想、間違っていないです」と、気軽に答えてくれました。
この方は「京都グラフィー」にも招聘されたセネガル人写真家、Omar Victor Diop(オマー・ヴィクトール・ディオップ)さん。今回展示している新シリーズ「Allegoria」は、京都の「出町桝形商店街」の人々のポートレイトを撮影した時の経験から、日本の伝統美術とポップカルチャー、そこにイスラム美術と自身のアフリカ的なものをミックスして創造した世界感なのだとか。
日本人の私ばかりでなく、バックボーンの違う国の人々からもたくさんの注目を集めていました。
パリ在住の写真好きの方には、この場の空気感をぜひ味わっていただきたいところですが、日本にいらっしゃる方には、17日までオンライン配信されているVIEWING ROOMSから、最先端の写真マーケットの雰囲気を感じていただきたいと思います。