車はさようなら?ノルウェー首都の中心地 地上駐車場が6月に「全廃」へ
オスロ市議会は2019年9月の統一地方選挙までに、首都中心地をカーフリーにすることを公約している。
車を利用する子持ちの家族のことなどを考慮しておらず、「馬鹿げている」との批判もある。しかし、市内の大気汚染改善と、一歩先を進んだ都市開発計画を目指して、左派政党が権力を握る行政部の勢いは止まらない。
一般自動車を減らすカーフリーエリアは、中心部リング1を周辺とする1.9平方キロメートル。中心部に在住している住民およそ1000人は、車の運転は許可される。
カーフリー実現に向けて、行政部は、今年の6月1日までに中心部の地上にある全ての駐車場を廃止することを発表(車の走行は可能)。市が新設した「カーフリー都市生活」計画によると、6月1日より車700台分のスペースが使用不可能となる。
市議会が車の交通量を減らすための参考都市としているのは都市ブリュッセルだが、今回のオスロのカーフリー対象エリアは、ブリュッセルよりも規模が大きいとされている。
廃止は地上でのみ、地下駐車場は維持
中心部と周囲にある30か所の地下駐車場、9500台分のスペースは現状維持される。現時点では地下駐車場の利用率は55~60%のため、地上駐車場がなくなっても、地下駐車場には3800台分もの余裕がある。
電気自動車の優先スペースも撤去!?
オートバイに加え、これまで優遇されてきた電気自動車の優先スペースも撤去されるため、批判が強い。排ガスを出す車ではないが、「路上空間を、これまで車は独占しすぎた」という考え方のもと、空間を歩行者や自転車乗りに提供する考えだ。しかし、これまでの電気自動車のための充電設備費用を無駄にするとして、抵抗する声もある。
地上駐車場がなくなったスペースでは、子どもたちの遊び場、植物など緑の増加、文化やボランティア活動など、活気ある都市づくりのために使用される予定だ。
路上を占領する駐車場がなくなり、交通量が減れば、商用車にとって市内の移動が楽になるだろうと、プロジェクトのリーダー、エドヴァルセン氏は推測。
車が減った街を目の前にすれば、人々は「へー!」と驚愕するはずと、同氏はオスロ都市計画のサイトで語る。
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Text: Asaki Abumi