世の中のパパに知ってほしい!小児科看護師が見たママのお悩み
結婚して子供が産まれて幸せの絶頂!
パパもママも子育て頑張ろう!と意気込んだのではないでしょうか?
お金も必要だから頑張って働かないと!
育休取ったし、家事やってるし、頑張ってるし、協力して上手くいってるんじゃないかな。
と思っているパパも多いのではないでしょうか?
ですが健診に来るママから聞かれるお悩みは、パパが育休取っていても取っていなくても、同じようなものです。
手伝うところ、気遣うところを間違えると、手伝っているのにママの負担が増えていたり、全然減っていないこともあります。
手伝ったりできることやっているのに、負担が増えているって嫌ですよね?
そこで、乳児健診や健康診断、入園児健診などに携わっている私の経験を元に、健診で多いお悩みとこうしてほしい!の声をお伝えします。
世のパパやママの参考になれば嬉しいです。
産後のママの変化
まず初めに産後に起きるママの身体の変化、気持ちの変化をお伝えします。
最近は無痛分娩なども増えてきましたが、まだまだ自然分娩や帝王切開が多いです。
帝王切開は名前の通り、お腹を切っているので、傷が痛むことは想像がつくと思いますが、自然分娩でも会陰切開といって陰部を切っていることが多いです。
会陰切開は目には見えないし、すぐに動いているので大丈夫そうに見えますが、あくまで回復を促すために動いてもらっているだけなので、ママは動くのも辛い状態です。
そんな中、授乳もしないと胸が張って苦しいし、やらないと乳腺炎になるからパパが面会に来る頃には産院で頑張って動いたり授乳したりしているのです。
また、自分のお腹から命が産まれるので、母性本能が働きます。
その影響もあって、ホルモンバランスが崩れているので、自分を責めたり些細なことが気になってしまいます。
自分が授乳しなかったりするだけで死んでしまう存在が横にいるので、責任も重くのしかかるし、安心して眠れなくなることが多いです。
自分のせいで赤ちゃんに何かあったら、という思いを常に抱えて気が張り詰めています。
産院では看護師や助産師が気持ちの変化に気がついたり、相談に乗っていますが、自宅に帰ったら頼りになるのはパパしかいません。
そこで、「ママの方が上手だし」とか「気にしすぎ」とか言われてしまうと、相談できなくなって、子育て中は孤独を感じてしまう原因になります。
これらを踏まえた上でお悩みについて挙げていきます。
ママのお悩みや希望
1.もっと育児に協力してほしい
これは1番多く聞かれる声です。
具体的には
- おしっこ・うんち関係なくオムツ替えてほしい
- 昼間だけでもミルク作ってあげてほしい
- 離乳食あげてほしい
- 夜泣きや泣いているときに対応してほしい
などが多い相談内容です。
2.家事を協力してほしい
こちらも多い相談内容です。
具体的に
- 子供を看ている間は家事を進めてほしい
- 自分でできることは自分でやってほしい
- たまには休める日を作ってほしい
- 交代でやるとか少し手伝ってほしい
など
自分一人じゃ難しいので一緒にやってほしいけど、今まで自分がやってきたからお願いすることが申し訳ない、仕事をしているし難しいと言われてしまう、ママの方が早いって言われるという意見が多いです。
3.一緒に悩んでいることを考えてほしい
こちらは育児に協力してほしいに繋がりますが、相談に乗ってほしい、話を聞いてほしい、という声が多いです。
- 子供の様子が心配でたまらないから一緒に見ててほしい
- どうやったら子供にとっていいか一緒に考えてほしい
- 不安なことを聞いてほしい
など
協力しているのにどうして?
もちろん、パパなりにできることをやろうとしてくれているのをママも理解はしています。
ですが、初めての子育てで不安だらけなので、もっと一緒に考えたり、協力して子育てしたいと思っています。
「全部一緒にやってくれていて、お互いに大変です」とママが言うこともたくさんあります。
しかし相談するママは、パパが育休を取っていたり、子育てに協力しようとしてくれているパパがいる環境であることが多いです。
ではなぜ、このようなお悩みに繋がってしまうのか。
それは
- パパがママのしていることの多さを理解できていない
- ママの方が慣れているだろうという思い込み
- パパと一緒に子育てしたい!という思いが強い
ことが挙げられます。
健診でも大変な部分は「ママの方が上手だから」と逃げてしまっている方が多いです。
そして大変な部分はやっていないけど、オムツ替えたりミルクあげたりはしているから、子育てに参加していて、頑張ってる!と思うのだと思います。
このようなお悩みのある方が、実際健診で一緒にパパが来たときに、
「オムツ替えるの早いね!」
「ママは夜中授乳してて慣れてるけど、自分も夜泣きで起きて辛いです」
「ミルクも離乳食も僕がやっても上手くいかなくて…」
「ママは産まれてから退院までずっとお世話してたし、ママの方が上手いんだと思います」と看護師に話されます。
しかし、ママも退院までの短い間で身体が辛い中、やらなければならないことは身をもって実感するし、話は聞けますが習得はできていないことがほとんどです。
やらないといけない!が先行して家でも色々やっていますが、決して上手に、思ったように出来ている訳ではありません。
パパもママも変わらず、親になって1年目で、手探りの状態なのは一緒なのです。
パパが褒めたり、悩んでいることはママも悩んだり試行錯誤してやっていることだと思います。それを、「自分じゃ上手くできないから」と逃げ出してしまうと、赤ちゃんと向き合っている時間が長いママにとっては理解者がいない、一緒に話し合える人がいない、頼れない、とどんどん孤独になって、産後うつへ繋がる可能性があります。
そんな思いが健診でお悩みというSOSとなって表面化してくるのだと思います。
パパはどうしたらいいの?
パパが「ママの方が慣れている」と思ってしまうのも無理はありません。
入院中にどんな状態で過ごしているのか全てを知ることは難しいし、そもそも男女で感覚も違うので仕方ありません。
ですが、「自分もママも親1年目」ということは肝に命じて、一緒に試行錯誤してほしいなと思います。
ママは、2-3時間置きの授乳に夜泣きの対応、夜中のオムツ交換で眠れていません。パパも夜泣きで起きてしまうと思いますが、母乳での授乳はママしかできないので必然的に起きなければなりません。
また、ホルモンバランスの乱れで不安が強くなるので、子供が息をしているか不安で何度も起きることも多々あります。
これらを踏まえた上で、パパがやってくれると嬉しい、すぐ実践できることを紹介していきます!
- ママが子供を看ている間は家事をする
- ママが家事をしている間にミルクをあげたり、オムツを替えるなど子供を見る
- 積極的に話を聞いてあげる
- 「ありがとう」など言葉に出すようにする
- お互いに1人の時間を作って好きなことができるようにする
これらを1つでもやるとママの負担はぐっと軽くなると思います。
また、2人でやることでお互いに交代で休める上に、家事や育児の大変さも共有出来て、話し合いがしやすく一緒に成長していけます。
ただしここで気を付けてほしいのは、あくまで子供の生活リズムを崩さないように家事をしたりすることです。
そうでないと夜泣きが酷くなったり、寝てくれなかったりしてしまうからです。
生活リズムの乱れは後々自分の首を絞めるので、ママを大切にしつつ、子供主体の生活にしましょう。
一緒に子育てできる環境へ
パパもママも毎日本当に頑張っていると思います。
大変なこともかなりある中で、パパとママのすれ違いを減らして少し余裕を持って、楽しみを見出しながら子育てできると素敵だなと思います。
まだまだパパの育休は取りづらいし、家事や子育てはママがやる風潮はありますが、今後はもっと2人で参加していける世の中になっていくと思います。
大切なのは生活の中で、できることをやることです。
制度が変わっていく中で、お互いの時間を大切にしつつ、産後うつや孤独にならない環境を作っていきましょう。
パパとママが生き生きしていると子供も嬉しいものです。
子供と一緒に成長していくと思って、少し肩の荷がおろし、話し合いながら少しずつ子育てをしていきましょう。
この記事が少しでも悩んでいるパパとママの役に立てれば嬉しいです。