再起に賭ける元IBFスーパーミドル級チャンプ
2023年3月25日にWBCスーパーミドル級暫定王者であるデビッド・ベナビデスに挑み、0-3で判定負けしたケイラブ・プラント。来たる14日に、再起戦のリングに上がる。
プラントは姉、妹に挟まれた真ん中の子として、1992年7月8日に「ザ・ミュージック・シティ」で生まれた。彼の両親は新生児用のベビーベッドを買う余裕が無く、衣類ケースの引き出しに赤子を寝かした。所謂、レッドネックの暮らしである。
かつてキックボクサーだった父親のリッチーは、9歳になった息子に格闘技を教える。プラントはアマチュアボクシングで97勝20敗という記録を残し、何度かテネシー州チャンピオンとなった。
2014年5月、21歳でプロデビューしたプラントは、カリフォルニア州ロスアンジェルスのUSCギャレンセンターで、トラビス・デビッドソンを47秒で仕留める。デビューから5連勝を重ね、順調な滑り出しを見せたが、2015年1月に愛娘を失ってしまう。一人っ子だったアリア・ジーンは、生まれつき非常に稀な疾患を抱えていた。
プラントは娘が亡くなる前、「いつか世界チャンピオンになる」と約束した。ジーンが天に召されてから 2か月後にリングに戻り、初の6回戦でダニエル・ヘンリーに1ラウンドKO勝ちを収める。
そして、2019年1月に娘との誓いを果たし、IBFスーパーミドル級タイトルを手に入れた。
3度の防衛に成功した後の2021年11月6日。サウル・“カネロ”・アルバレスとの統一戦に敗れ、プロ生活初黒星を喫する。11カ月後の再起戦には勝利したが、2023年3月に対戦したWBC同級暫定王者であるデビッド・ベナビデスには、111-117、113-115、112-116の0-3で敗者となった。
今回の試合について、プラントは言う。
「復帰戦に向け、1年以上準備してきた。キャンプは本当にうまくいった。これまでで最高の体調だし、スパーリングも過去最高の内容で、自分のキャリアにおいて最もスムーズな準備だった。それがリングに反映されることを期待する。
トレバー・マッカンビーにとって、俺との対戦はチャンスだよな。これまでヤツは、30歳の有望株だった。ビッグマッチへのステップアップを長い間待っていたんだろう。その相手に俺を選んだんだな。今、ヤツは好きなだけ話すことができるが、行動は言葉以上に雄弁だ。
俺はマッカンビーのことなんて考えちゃいない。未来に繋げるために、目の前の仕事に集中するだけだ」
22勝(13KO)2敗のプラントは、1年半ぶりのリングで何を見せるか。