なぜエムバペとネイマールに移籍の可能性があるのか?レアル、バルサ…スペイン2強とパリSGの思惑。
移籍の実現には、時間が必要かもしれない。
キリアン・エムバペの去就が定まらない。2024年夏までパリSGと契約を結んでいるエムバペだが、すでに1年の契約延長オプションを行使しない旨をクラブに通達しており、この夏の移籍に傾いている。
「エムバペはあと1週間か2週間のうちに契約延長にサインするかを決めなければいけない。そうでない場合、(移籍の)扉は開かれている」
これはナセル・アル・ケライフィ会長の言葉だ。7月5日のルイス・エンリケ監督の就任会見で、パリSGの会長はそのように語っていた。
事実、パリSGはプレシーズンツアーの招集リストからエムバペを外している。チームがフランスに帰国してからも、エムバペは構想外となっている選手たちと別メニューで調整を続けている。また先日、パリの公式ショップでエムバペのユニフォームが取り外されていたことが話題を呼んだ。
■レアル・マドリー移籍の可能性
エムバペの移籍先として挙げられているのが、レアル・マドリーだ。が、今のところ、マドリーは状況を静観している。
マドリーはこの夏、ジュード・ベリンガム(移籍金1億300万ユーロ/約154億円)、アルダ・ギュレル(移籍金2000万ユーロ/約30億円)、フラン・ガルシア(移籍金500万ユーロ/約7億円)、ホセル(レンタル)を獲得した。補強に1億2800万ユーロ(約192億円)を投じている。
とりわけ、ベリンガムの獲得には、高額な移籍金を支払った。エムバペは来年の夏にフリーになる選手である。マドリーとしては、ダビド・アラバ、アントニオ・リュディガーのように、フリートランスファーで加入する選手に契約ボーナスを支払う形での獲得を望んでいると言われており、この夏に“パニック・バイ”的にエムバペを確保する動きには出ていない。
■ネイマールと移籍の噂
一方、パリSGはネイマールにも移籍の可能性が出てきている。
先のフランス『レキップ』の報道によると、ネイマールはこの夏に移籍する希望をクラブに通達したという。また、2023−24シーズンのチームの公式写真のセッションにネイマールとマルコ・ヴェッラッティが呼ばれず、移籍の噂が加速している。
ネイマールの移籍先候補に考えられているのはバルセロナだ。2013年から2017年までプレーしたバルセロナへの復帰を、選手自身が望んでいるとみられている。
■主力退団と補強の必要性
バルセロナはフランク・ケシエが移籍金1250万ユーロ(約18億円)でアル・アハリに移籍した。加えて、ウスマン・デンベレがパリSG移籍に近づいている。
補強を必要としているバルセロナだが、シャビ・エルナンデス監督はフロント陣にベルナルド・シウバ(マンチェスター・シティ)の獲得を要望しているようだ。だがB・シウバにはシティから契約延長のオファーが届いており、交渉が難航している。
そこで、ネイマールを、という話だ。デンベレの退団は、シャビ監督にとって、痛手だ。突破力のあるアタッカー、ドリブラーがチームには必要で、そのピースとしてネイマールが嵌まる可能性はある。
「ネイマールについてだが、私は選手の名前を出すことができない。昨年の夏、他チームの選手の名前を出して、とても怒られたからね。夏のマーケットは、まだ開いている。様子を見よう」とはシャビ監督の弁だ。
「我々は良い補強をしなければいけない。会長とフロントはそのことを知っている。ここまでの選手たちの練習ぶり、プレシーズンの出来に関しては、満足しているよ」
バルセロナは今夏の移籍市場でイルカイ・ギュンドアン(フリートランスファー)、イニゴ・マルティネス(フリートランスファー)、オリオル・ロメウ(移籍金340万ユーロ/約5億円)を獲得している。ロメウを除けば、全て移籍金ゼロで獲得した選手だ。
ネイマールの獲得を巡っては、1年レンタル+買い取り義務というプランが浮上している。バルセロナにはウィンガーが必要で、ネイマールには古巣復帰の想いがある。移籍市場が閉まるまで、可能性は開かれている。