半数の人が損しているかも!洗い上がりが変わる洗濯機のコース選びを洗濯研究家が解説
洗濯研究家の平島 利恵です。
洗濯の時、コースは変えていますか?「いつも標準コース」では、せっかくの洗濯機の機能を使えておらず、損をしているかもしれません。洗濯機の設定やコースを少し変えるだけで、洗い上がりは大きく変わるんです!
- 洋服の汚れが落とし切れない
- 洋服が傷むのが早い
- 洗っても服からニオイがする
というお悩みがある方は、洗濯機の設定を変えてみませんか?
5割以上の人が標準コースだけで洗濯している
ライオンの調査によると、56%以上の人がニットやセーターのようなデリケートな服であっても標準コースで洗濯しているという結果が出ています。
一方、「色落ちした(39.5%)」「ヨレヨレになった(20%)」といった洗濯の失敗も挙げられています。
出典:ライオン株式会社「イマドキ男女の洗濯白書2017」より
コースを使い分ければ衣類の寿命はもっと伸ばせる
洋服が着られなくなってしまう、黄ばみ・シミ・臭いや、ヨレ・伸び・毛玉は、洗濯の仕方で改善できます。まずは、「汚れをしっかり落としたい衣類」と「シワやヨレを防ぎたいおしゃれ着」の洗い分けから始めてみましょう!
清潔に洗うための3つのキホン
1.衣類量を減らす
衣類量の上限は、縦型洗濯機の場合で8割(洗濯槽のステンレスが見える位)、ドラム式の場合は5~7割です。
衣類が多すぎると、洗濯槽の中でただ洗浄水に浸かっているだけで洗えず、汚れが残ってしまいます。
2.シミには洗剤を塗布して前処理
シミはついてからの時間が汚れ落ちを左右します。なるべく早く、遅くとも24時間以内には洗いましょう。シミに洗剤を塗り、優しく揉んでから洗濯機に入れると、汚れ落ちが良くなります。
汗など目に見えない汚れがついたときも同様です。
3.衣類に合わせた洗剤を使う
市販の洗剤には大きく「中性」と「アルカリ性」の液性があります。
中性洗剤(おしゃれ着洗剤)
洗浄力はマイルドですが、色合いや風合いを保ちながら汚れを落とせます。
(シルク・ウール・デリケートな素材・おしゃれ着の洗濯に◎)
アルカリ性洗剤
洗浄力が高く、皮脂・汗の汚れをしっかり落とせる反面、色落ちなど素材に影響が出ることがあります。液体洗剤より粉末洗剤の方がより洗浄力が高くなります。
(普段着・肌着・Yシャツ・ユニフォーム・タオル・シーツの洗濯に◎)
【汚れ落ちをよくしたい方向け】縦型洗濯機のおすすめ設定
- 洗い:11分以上
- すすぎ:2回以上(泥・汗汚れが酷い時は注水すすぎ2回以上)
- 脱水:6分以上
黄ばみ・ニオイの原因である、汗・皮脂や雑菌を衣類に残さないためには、よく洗い・よくすすぐことが大切です。特にすすぎが不足すると、衣類に汚染水(洗剤+汚れ)が残ってしまうので、注意しましょう。
ニオイ・汗がついた服は裏返す
汗・皮脂・ニオイなど、身体から出る汚れは、洋服の内側に付着します。洗濯時、裏返して洗う方が効果的です。
既に黄ばんでいる時は温水つけ置き洗い
汚れが酸化し、黄ばんでしまった衣類は、温水を使ったつけ置き洗いで古い汚れを溶かし出しましょう。
手順は「【介護・育児】下着、襟袖の頑固な汚れも手間なしで解決!つけ置き洗い術」をご覧ください。
ヨレ・シワ・毛玉を防ぎたいときのコース
【おしゃれ着コース】
標準コースより水流や脱水が弱く、衣類に負担をかけずに洗うことができます。ヨレやシワを防ぎたい服は、おしゃれ着コースで洗い分けましょう!
おしゃれ着の洗い方は、「アイロンがけしたくない人に!洗濯物のシワを防ぐ3つのコツを洗濯のプロが解説【裏技も!】」もご覧ください。
大きなシーツ・タオルケットを洗う時のコース
【毛布コース】
タオルケットやダブルサイズ以上のシーツ、毛布を洗う時は、「毛布コース」を選びます。洗濯槽の底面にある、パルセータの動きを抑え、洗濯槽をゆっくりと回転させるため、洗濯物を傷めず洗うことができます。
スピードコースをおすすめしない理由
時短になるからと、スピードコースを選ばれる方もいらっしゃいますが、洗濯の目的は衣類を清潔にすることです。
時短は出来ても、洗い・すすぎ不足により、汚れが残っていては、元も子もありません。汚れが蓄積することで、服の寿命も短くなってしまいます。
洗濯機を回している間は他のこともできるので、しっかり洗い・しっかりすすぐ、という基本が清潔な洗濯への一番の近道です。
清潔な洗濯のためには洗濯槽のカビ取りも忘れずに行いましょう!(洗濯槽裏だけじゃない!洗濯研究家が教える、洗濯機で黒カビが生えやすい【3つの場所】)
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