新たな熱帯低気圧が発生し北上へ、梅雨明けに影響も?
低気圧に伴う活発な雨雲が通過中
沖縄から朝鮮半島、そして日本海へと、太平洋高気圧の縁辺をぐるりと回ってきた活発な積乱雲群がちょうどこれから東北や北陸を通過していく見込みです(参考記事)。
最新の計算では、記録的な大雨に見舞われた秋田県よりはやや南を通過する見込みですが、今後も少ない雨量で、災害が発生するおそれがあります。土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒してください。
新たな熱帯低気圧が発生へ
一方、南に目を向けると、フィリピンの東海上に引き続き、低圧部が発生しています。低圧部とは雲の循環は認められるものの、その中心付近がはっきりとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近がはっきり分かるようになると、熱帯低気圧に名前が変わります。熱帯低気圧からは台風が発生することが多くあるため、低圧部はいわば台風のもとになるような存在です。
気象庁の当初の予想よりはやや遅れているものの、この低圧部は、あす20日(木)午前9時までには熱帯低気圧に変わる予想です。(予想天気図中のTDマーク)
フィリピン北部付近を通過か?
新たに発生が予想される熱帯低気圧は、ほとんどの計算で台風とみられる勢力に発達し、週末から週明けにかけて、フィリピンの東海上へ北西進する予想です。
その後、諸外国を含む多くの計算が沖縄付近の太平洋高気圧にブロックされるようにフィリピンの北部付近を通過し、南シナ海へ抜けるコースを予想しているのですが、アメリカのモデルは太平洋高気圧の勢力が弱まり、かなり強力な勢力で真っすぐ沖縄に向かって北上するような計算結果を出しています。
アメリカのように沖縄にまっすぐ北上するようなモデルはかなり少数派なので、今後は多数派に近づく可能性が大きいと思われますが、週末以降の沖縄付近の高気圧の勢力に要注目です。
梅雨明けは一体いつ発表されるのか?
先週から体温を上回るような猛暑が繰り返されていますが、気象庁からはまだ関東以西の梅雨明けは発表されていません。これは晴れて猛暑となっても、その後前線の影響を受けるだろうと予想されているためで、梅雨明けは一般に1週間程度の晴れを見込んで発表されるものです。
ウェザーマップ発表の10日間予報をみると、これからあす20日(木)にかけて本州付近を前線が通過し、南の海上へ大きく南下する見込みで、その後、この前線の活動は弱まるでしょう。ただ東海上からの高気圧に覆われやすく、晴れ間があっても雲の広がりやすい状態はしばらく続く見込みです。
前線が南下し、雨はあまり降らないという判断があれば、関東甲信や東海などで、この数日以内に梅雨明けの発表があってもおかしくありません。このあたりは気象庁の判断次第です。一方、前線の影響がしばらく残る九州では週末から週明けに雨が予想されているため、もうしばらく先になりそうです。
また、上述した通り、今後北上してくる熱帯擾乱や太平洋高気圧の振る舞い次第では、予報が大きく変わる可能性も否定できない状況です。