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活発な積乱雲群が沖縄から東北や北陸を指向か、再び大雨のおそれ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風4号と積乱雲群の雲の様子(ウェザーマップ)

秋田県で集中的な大雨

72時間の降水量(ウェザーマップ)
72時間の降水量(ウェザーマップ)

活発な梅雨前線の影響で、おととい14日(金)から東北地方では雨脚が強まり、特に秋田県では未曽有の大雨となった所もありました。この大雨により、河川の氾濫や浸水、土砂災害などの災害が広範囲に発生しました。

72時間降水量の記録(気象庁)
72時間降水量の記録(気象庁)

今回の大雨による72時間降水量は所々で300ミリを超え、特に秋田市仁別では過去の記録を大幅に上回る400ミリ以上に達しました。また解析雨量では、秋田市、由利本荘市、能代市、藤里町などで500ミリ以上に達する豪雨となっています。

活発な積乱雲群が沖縄から東北や北陸を指向か

予想天気図(ウェザーマップ)
予想天気図(ウェザーマップ)

きょう16日(日)午後になって梅雨前線の活動は弱まり、雨は小康状態となっていますが、油断できません。

タイトル画像をみると、フィリピンを挟んで左側の赤丸の中には台風4号の雲がありますが、右側の赤丸の中にも活発な積乱雲群が発生している状況です。この積乱雲群は今のところ、気象庁の解析では特に熱帯低気圧などの熱帯擾乱(ねったいじょうらん)としては解析されていないものの、非常に湿った空気の集団として、大雨をもたらすには十分な力があります。

この積乱雲群はあす17日(月)にかけて、まず沖縄付近を北上するため、沖縄は雷を伴った激しい雨が降り、大雨となる所があるでしょう。そして沖縄を北上した後、太平洋高気圧の縁を回るように九州の北から日本海に入り、あさって18日(火)から19日(水)にかけて、東北や北陸付近に到達する計算です。

これに伴い再び梅雨前線の活動が活発となるため、東北や北陸を中心に大雨となるおそれがあります。

再び東北や北陸で大雨のおそれ

48時間予想降水量(ウェザーマップ)
48時間予想降水量(ウェザーマップ)

上図はコンピュータが予想している48時間の降水量で、あさって18日(火)から19日(水)にかけて、秋田県や山形県を中心に、多い所で100ミリから200ミリの計算となっています。ただ種々の計算では、湿った空気がもう少し南に流れ込み、北陸地方にずれる可能性も示唆されています。

秋田県では記録的な大雨となったばかりで、しかも先日は石川県や富山県でも線状降水帯が発生するなど、大雨となりました。今後、少しの雨でも大きな災害に結び付く可能性があるため、最新の気象情報にくれぐれもご注意ください。

台風4号は西進へ

台風4号の予報円(ウェザーマップ)
台風4号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風予報円(気象庁発表)

南シナ海にある台風4号は今後も西進を続け、ベトナム方面に進んで熱帯低気圧に変わる見通しです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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