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週明けにかけ広く大雨のおそれ、関東では線状に連なる活発な雨雲が発生する計算も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
激しい雨(写真:イメージマート)

活発な前線がゆっくりと通過へ

予想天気図(ウェザーマップ)
予想天気図(ウェザーマップ)

あす12日(日)からあさって13日(月)にかけて、西日本から北日本の広い範囲で雨や風が強まり、大雨となるおそれがあります。

あす12日(日)午後9時の予想天気図をみると、日本海から九州、そして東シナ海に前線が連なっていて、この前線に向かって、南から梅雨の前哨戦のような暖湿気が流れ込む予想です。このため活発な雨雲が発生し東進しますが、日本の東で高気圧が強まるため、これに行く手を阻まれるように、南北に突っ立つような雨雲に発達し、あさって13日(月)にかけて、東日本や北日本を通過する見込みです。特に関東では線状に連なるような活発な雨雲も予想されていて、警戒モードをかなり高めることになるかもしれません。

あす12日(日)は西日本で雨風強まる

雨と風の予想(ウェザーマップ)
雨と風の予想(ウェザーマップ)

九州ではあす12日(日)に日付が変わるとともに雨が降り出し、昼頃までには西日本全体に広がり、夜にかけて降り続くでしょう。雷を伴って激しく降る所もあり、また南風も強まるため、横殴りの降り方をする所も多い見込みです。

あさって13日(月)は東日本や北日本で雨風強まる

雨と風の予想(ウェザーマップ)
雨と風の予想(ウェザーマップ)

雨雲はあさって13日(月)朝までには、東日本や北日本に広がるでしょう。さらに雨雲は南北に突っ立つように活発化し、夜にかけて、ゆっくりと通過していく見込みです。上図のように太平洋側では、沿岸部を中心に、平均10メートルから15メートル以上の強い風を伴いそうで、場所によっては、台風を思わせるような大荒れの天気となるかもしれません。

東海から関東は線状の活発な雨雲が発生も

雨と風の予想(ウェザーマップ)
雨と風の予想(ウェザーマップ)

東海から関東にかけての雨雲の予想をみると、あさって13日(月)正午の段階ではまだバラツキがあるものの、南風が強まるとともに暖湿気が収束し、午後6時から午後9時頃にかけて、ちょうど帰宅時間に、線状に連なるような活発な雨雲に発達し、ゆっくりと通過する見込みです。

雨雲の強度から線状降水帯が発生するような可能性は低いとみられますが、それでも線状の降水帯がかかる所では激しい雨が降り、さらに数時間、集中的に降り続く可能性も考えられます。この予想はまだ不確実性が大きい状態ではありますが、危険度が高くなるおそれもありますので、最新情報にご注意ください。

5月1か月分の大雨も

72時間予想降水量(ウェザーマップ)
72時間予想降水量(ウェザーマップ)

コンピュータが予想した今回の大雨に伴う総降水量が上図です。おおむね半日から1日程度で降る量と計算されていて、西日本から東日本には100ミリ以上のオレンジ色が所々にみられ、特に静岡県には200ミリ以上の紫色が広がっています。東京でも50ミリから100ミリ程度、降るような計算です。

静岡から関東にかけては、線状に連なるような活発な雨雲が発生した場合、わずか数時間で100ミリ以上の大雨となることも考えられます。気象庁からは、東北から九州にかけて、広く警報級の大雨となる可能性が[中]と発表されていて、土砂災害や低い土地の浸水、川の増水などに警戒するとともに、強風や落雷などにも、十分な注意が必要です。

場所によっては季節外れの大雨となり、平年の5月1か月分の大雨となる所があるかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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