「唐津街道　原町（はるまち）」は町並みといい建物といい、情緒あふれる地域です。

いつかゆっくり散策してみたいと思っていたので、ふらりとたずねてみました。

原町を散策するならランチは、風情ある古民家で手打ちそばが食べられる、有名そば処「街道そば　たからい」と決めていたのです。

古美術ギャラリーで目を楽しませたあとは、向かいのそば処で空腹を満たすことにします。

こころも体も癒やされる、ぜいたくな一日の締めくくりです。

◇「街道そば　たからい」の店舗外観

「街道そば　たからい」は造り酒屋として栄えたころの立派な屋敷を活用して、今はそば処として営業しているのです。

屋敷の門にかけられたのれんをくぐって店内へ進みます。

どこから入ればいいのか少し迷いましたが、縁側から家の中に入るように、ふみ石で靴をぬいで中に入り靴箱になおします。

入って正面は待合場所で、いろりがあり冬には火が入るとのこと。

古民家らしい風情を感じます。

「奥へどうぞ」とスタッフに促され行った座敷のいりぐちで、思わず立ち止まってしまいました。

◇広々ゆったりの店内

客室になっている大広間には、大きな座卓がゆったりと6台配置せれています。

想像以上の広さにおどろきをかくせません。

ランチタイムもピークをすぎていたので店内はすいていて、次の間に一か所だけあったテーブル席につきました。

ここにも大きな座卓が、横に1台置かれています。

少しはなれた場所に個室があり、おちついた雰囲気の中でゆっくりと食事が楽しめそうです。

子ども連れや家族で会食をする時に、ちょうどいいスペースになっています。

店内には立派な「書」が何ヶ所にも飾られていて、建物の風格を思わせます。

◇選べるランチメニュー

ランチのコースを選ぶのですが、迷っているとスタッフの女性がとても親切に説明してくれて１番人気の冷蕎麦三昧（三種類のつゆ）税込み1,650円に決めました。

アフタードリンクは抹茶か珈琲のいずれかということなので、抹茶に決定。

蕎麦スイーツもどれもおいしそうで、ここでも迷いながら「蕎麦茶のシフォンケーキ」をセレクトます。

テーブルに置かれた蕎麦茶が香りもよくおいしくて、食事がくるまでの間楽しみました。

◇冷蕎麦三昧を味わう

蕎麦好きなので、ざる蕎麦を食べることは多いのですが、緑のあしらいのある皿にのった蕎麦は一層おいしそうです。

そばがきの包み揚げ

そばがきは中にエビが入った包み揚げで、中のエビもプリプリしています。

抹茶塩を少し付けていただくのですが、なんとも上品な味わいで、これまでの「そばがき」のイメージを変えた一品です。

味ごはん

しめじと生姜の味ごはんです。

薄味にしあげられていて、生姜のかすかな辛味がアクセントになっています。

冷たい蕎麦

メインの「蕎麦」です。

蕎麦は「水」が命と言われますが、酒造りをしていたこの店の水を使ってしあげた蕎麦、まちがいはありません。

そばつゆは三種類です。

＊出しのきいたシンプルなつゆには、ネギとわさびを入れます。

＊とろろの入ったつゆは、のどごしが良くスルスルとそばが入ってきます。

＊ごまだれつゆには鶏ささみの蒸し身をいれていただきます。

言うまでもなく、すべてのつゆが蕎麦を引き立たせてくれて、おいしくいただけました。

つゆを残すのはもったいないと思っていると、すかさずスタッフが「蕎麦湯」を運んできてくれます。

つゆも蕎麦湯も残すことなく、おいしくいただいて食事は終了です。

もうすっかり満腹になりました。

抹茶と蕎麦茶のシフォンケーキ

デザートがあることをすっかり忘れていたとスタッフに話すと「別腹ですから…」と微笑んでテーブルに置いてくれたので、そうだったと微笑みで返します。

蕎麦茶のシフォンケーキは甘さがおさえられていて、口の中でとけそうなやわらかさです。

抹茶はちょうどよい濃さで、シフォンケーキとの相性もピッタリです。

すべてを食べおわると静けさが心地よく、身も心も満たされていました。

「唐津街道　原町」を散策して、ランチは『街道そば　たからい』でおいしい蕎麦料理をいただきました。

屋号の「たからい」は造り酒屋を営んでいた時、醸造していた酒の銘柄「宝井」から付けたものだそうです。

うけついだ歴史を大切にする店主の思いのこもった料理の数々、本当に満喫させてもらいました。