バルス祭り2024はどの程度盛り上がったのか
2024年8月30日に金曜ロードショーで「天空の城ラピュタ」の2年ぶり19回目の放映がありました.
ほぼ2年に一回放送されており,毎回それなりの視聴率をたたき出しているようで,人気コンテンツと言えるでしょう.前回放送の2022年もテレビ視聴が減少している今でも10%を超える視聴率だったようです.一番低いのが初回放送なのもちょっと不思議ですが.
特に最近では「バルス祭り」と称されて,X(旧Twitter)上で映画内のセリフと同期して「バルス!」という風習が作られました.
2013年には1秒間に14万3199回の書き込みがあり当時の世界記録を作り,2016年の放送時には1分間に34万回以上の「バルス」という書き込みがあったということで,もはやラピュタを放送したらバルスと書き込むのが義務みたいなところがあったりします.
というわけで,今回のバルスはどのくらいだったのでしょうか?
まずは2024年8月30日に投稿された「バルス」を含むポスト数を調べてみました.今回は10%サンプリングデータで調べてその数を10倍にしています.その結果,およそ289,950回のバルスを含む投稿があったことが分かりました.2016年の1分間のバルスにも満たない量ですので,少し寂しさを感じます.
そして,実際にテレビの放送と合わせてバルスという書き込みがどのくらいあったのでしょうか.どうやら2024年8月30日の放送では23時22分ごろに「バルス」があったようです.その時間帯のバルス数を1秒ごとに調べてみたものがこちら.
これを見ると,23時22分39秒に17,210回,23時22分40秒に16,560回の「バルス」があったことが分かりました.合計2秒間で33,770回のバルスがあったと言えます.往年のバルス祭りに比べるとだいぶ少なくなってはいますが,パズー・シータとともに「バルス」と叫ぶ風習は健在のようです.23時22分の一分間に53,620回のバルスがありました.
それでは,この数はどのくらい減少したものであると言えるでしょうか.
ラピュタの視聴率が2016年当時と比べるとどのくらい下がったのかはまだ分かりませんが,前回と同じ12.6%と仮定すると,シンプルに2016年と同程度の勢いがあれば243,128回のバルスがあってもおかしくないはずです.そう考えると,2016年当時の勢いに比べて現在のXにおけるバルスは22%にまで衰退したと推定出来ます.
というわけで,今年のバルス祭りを10%サンプリングデータから分析してみました.その結果,往年の祭りに比べるとかなり小規模な祭りになってしまっているということが分かりました.現在各地でお祭りを担う人材の確保が難しくなり,祭り自体をやめてしまう自治体も多くなっているようです.我々もバルス祭りをどう守っていくのか,その人材をどう確保していくのか,そろそろ真剣に考える必要がある時期に来ているのかもしれません.