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元・北海道日本ハムのマーティンは生まれ故郷でクローザーを務め、試合とキャリアの最後を締めくくる!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリス・マーティン Aug 7, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 クリス・マーティンは、キャリアの最後を故郷で締めくくるようだ。1月6日、テキサス・レンジャーズは、マーティンと1年契約を交わしたことを発表した。

 レンジャーズは、テキサス州アーリントンに本拠を構える。マーティンは、テキサス州アーリントンで生まれ育った。

 2016~17年に北海道日本ハム・ファイターズで投げた後、2年400万ドルの契約で入団したのも、レンジャーズだった。この時は、2018年の開幕戦で3年ぶりのメジャーリーグ復帰を果たし、2019年の夏にトレードで移籍するまで在籍した。

 ファンサイデッドのロバート・マリーによると、契約は1年550万ドル。他球団から、もっと高額な契約の申し出もあったという。昨年9月、マーティンは、MassLive.comのクリストファー・スミスに「来年がラスト・イヤーになる確率は95%」と語っている。現在の年齢は38歳。2025年のシーズン年齢(6月30日時点)は39歳だ。6月初旬に誕生日を迎える。

 マーティンは、これから迎えるラスト・イヤーに、クローザーとして試合を締めくくるかもしれない。ここからレンジャーズが誰を加入させるかにもよるが、少なくとも現時点においては、マーティンがクローザーの筆頭候補だろう。レンジャーズのブルペンから抜けた投手と加わった投手については、昨年末にこちらで書いた。

「今年55登板以上のリリーバーを4人も手に入れたが、質より量で盤石のブルペンには程遠い!?」

 マーティンは、2016年に北海道日本ハムで21セーブを挙げているが、メジャーリーグでは、9シーズンで14セーブに過ぎない。5セーブ以上のシーズンは、一度もない。

 ただ、セットアッパーとしての経験は豊富だ。メジャーリーグで記録したホールドは100を超えていて、日本プロ野球を含めると、150以上となる。

 また、2023年の防御率1.05(51.1イニング)に対し、2024年は防御率3.45(44.1イニング)ながら、奪三振率は8.06→10.15と上がり、与四球率は1.40→0.61と下がった。スタットキャストによると、2024年はカッターの割合を増やし、4シームよりも多投している。セットアッパーとしてはもちろん、クローザーを務めることもできそうな気がする。

 なお、2025年がラスト・イヤーとなる確率は、発言のとおりでも、95%であって100%ではない。気持ちが変わることも、あり得なくはない。例えば、最近ではこんな例もある。

「引退するつもりでいた外野手が現役続行に意欲を示す。5月にエンジェルスで打率.409&5本塁打」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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