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1年1500万ドルの契約を得た3人の先発投手を比べると…。それぞれの年齢は37歳と41歳と42歳

宇根夏樹ベースボール・ライター
アレックス・カッブ Aug 14, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 先月、アレックス・カッブは、デトロイト・タイガースと1年1500万ドルの契約を交わした。チャーリー・モートンは、年が明けてから、こちらも1年1500万ドルの契約でボルティモア・オリオールズに入団した。また、ESPNのジェシー・ロジャースらによると、サンフランシスコ・ジャイアンツと合意に達したジャスティン・バーランダーも、その契約は1年1500万ドルだという。

 2025年のシーズン年齢(6月30日時点)の年齢は、カッブが37歳、モートンが41歳、バーランダーは42歳だ。

 実績は、バーランダーが突出している。例えば、バーランダーは、サイ・ヤング賞を3度、2011年、2019年、2022年に受賞している。受賞者に次ぐ2位も、同じく3度を数える。

 モートンがサイ・ヤング賞の投票でポイントを得たのは、2019年の1度きり。75ポイントを得て、ヒューストン・アストロズの2人、171ポイントのバーランダーと159ポイントのゲリット・コール(現ニューヨーク・ヤンキース)に次ぐ、3位に位置した。カッブは、どのシーズンもポイントを得たことがない。

 オールスター・ゲームのメンバーに選ばれた回数も、バーランダーが9度、モートンが2度、カッブは1度だ。

 過去3シーズンのスタッツは、以下のとおり。

筆者作成
筆者作成

 2022~24年の防御率は、バーランダーの3.09が最も低いが、FIPはカッブの3.40がバーランダーの3.49をわずかに下回る。FIPは、フィールディング・インディペンデント・ピッチングの略。ざっくり説明すると、守備の要素をできる限り排除した防御率だ。

 モートンの防御率4.06とFIP4.20は、3人のなかで最も高いが、奪三振率9.98も最も高い。また、モートンは、このスパンの直前の2021年も含め、4シーズン続けて規定投球回に到達している。バーランダーの162イニング以上は、2022年以降の3シーズンに2度。カッブは、2017年を最後に、7シーズン続けて規定投球回に達していない。2022年の149.2イニング、2023年の151.1イニング、2024年の16.1イニングは、いずれも3人のなかで最も少ない。

 誰が1500万ドルの契約に見合った投球をするのかは、まだわからない。3人ともそうなるかもしれないし、揃って期待外れに終わる可能性もある。

 ただ、1年1500万ドルの契約と入団の順序からすると、タイガースは、カッブではなく、モートンかバーランダーを手に入れることもでき、そのなかから、カッブを選んだように見えなくもない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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