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サイ・ヤング賞2度の左腕が抜けたジャイアンツにサイ・ヤング賞3度の右腕が加わる!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャスティン・バーランダー Aug 21, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、ブレイク・スネルは、年俸3000万ドルの選手オプションを破棄し、サンフランシスコ・ジャイアンツからFA市場に出た。そして、ロサンゼルス・ドジャースと5年1億8200万ドル(2025~29年)の契約を交わした。

 一方、ジャイアンツには、ジャスティン・バーランダーが加わるようだ。ESPNのジェフ・パッサンらが、契約の合意を報じている。1年1500万ドルの契約らしい。

 スネルは、2018年と2023年にサイ・ヤング賞を受賞している。バーランダーの受賞は、2011年と2019年と2022年の3度だ。2011年はMVPにも選ばれ、2018年はスネルと僅差の2位に位置した。

 ただ、彼らは、左投手と右投手の違いだけでなく、10歳の差がある。2025年のシーズン年齢は、スネルが32歳、バーランダーは42歳だ。2024年は、それぞれ、104.0イニングで防御率3.12と90.1イニングで防御率5.48を記録した。

 ちなみに、バーランダーを迎え入れたジャイアンツの編成責任者、バスター・ポージーは、バーランダーより4歳若い。3月に38歳となる。ポストシーズンを含め、バーランダーとは5打席で対戦し、二塁打とシングル・ヒットを1本ずつ打った。

 それでも、健康を維持できれば、バーランダーは、ローテーションの一角を担ってもおかしくない。40歳の2023年は、ニューヨーク・メッツとヒューストン・アストロズで162.1イニングを投げ、防御率3.22を記録している。

 ジャイアンツのローテーションに並ぶ5人は、今のところ、ローガン・ウェブロビー・レイジョーダン・ヒックス、バーランダー、カイル・ハリソンが有力だと思われる。

 エースのウェブはサイ・ヤング賞に選ばれたことがなく、選考投票の最高位は2023年の2位――スネルが受賞――だが、レイは2021年に受賞している。過去2シーズンとも、レイは怪我に泣かされ、計34.0イニングしか投げていないものの、ウェブと二本柱になり得る。

 なお、ドジャースとジャイアンツと同じ、ナ・リーグ西地区のアリゾナ・ダイヤモンドバックスも、今オフ、サイ・ヤング賞投手を迎え入れた。6年2億1000万ドル(2025~30年)の契約を交わしたコービン・バーンズは、レイと同じシーズンにサイ・ヤング賞を受賞している。USAトゥディのボブ・ナイテンゲールらによると、ジャイアンツ(とトロント・ブルージェイズ)も、バーンズに契約を申し出ていたという。

 今オフにFAとなったサイ・ヤング賞投手については、こちらで書いた。

「スネルのドジャース入団とビーバーの再契約が決まっても、FA市場に残るサイ・ヤング賞投手は多く…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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