不具合によりJAXA水星探査機「みお」の水星到着が1年延期、9月5日(木)には水星スイングバイを予定
JAXAとヨーロッパ宇宙機関(ESA)が国際協力で進めている水星探査計画「ベピ・コロンボ」が、エンジンの不具合により水星到着が1年遅れ、2026年11月に変更となることが発表されました。本記事では、ベピ・コロンボに発生している不具合の詳細について解説していきます。
■水星探査計画「ベピ・コロンボ」はどんなミッション?
ベピ・コロンボは、JAXAとESAが協力して進める国際水星探査計画です。JAXAが担当する水星磁気圏探査機「みお」とESAが担当する水星表面探査機「MPO」の2機の探査機を同時に水星周回へ送り込み、総合的な観測を行うことを目的としています。そして、ESAの電気推進モジュール「MTM」が両探査機を水星まで運びます。大きく3つのモジュールに分かれている探査機なのです。
2018年10月、フランス領ギアナからアリアンVロケットにより探査機が打ち上げられました。現在3機の機体は縦に積み重なった状態で宇宙飛行を続けています。
■イオンエンジンの不具合から水星到着を1年延期
当初、探査機は2025年12月に水星の周回軌道へ到着する予定でした。しかし、2024年5月に推進モジュール「MTM」のイオンエンジンに不具合が発生していることが発表されます。その内容は、エンジンをフル出力で運転ができないという内容であり、水星までの軌道計画に影響が出ることが懸念されていました。
そしてESAとJAXAにより、イオンエンジンの出力を下げて運用する方針が示されました。これにより水星への到着が1年遅れ、2026年11月に変更することとなります。しかし、元々予定していた科学観測ミッションの内容には影響は与えないとのことです。
2024年9月5日(木)早朝(日本時間)には、4回目となる水星スイングバイが予定されています。ベピ・コロンボ、そして水星探査機「みお」の今後のニュースも注目です。
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