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名古屋グルメ『小倉トースト』が大阪へ殴り込み!? あべのハルカスの和スイーツフェアに参戦

大竹敏之名古屋ネタライター
「あんこときなことお茶」で提供されるこしあん+粒あんの小倉トースト食べ比べ

大阪の和スイーツフェアに唯一、名古屋から参加

和のスイーツを集めたフェア「あんこときなことお茶」が、あべのハルカス近鉄本店(大阪市阿倍野区)で10月2日から開催されています。

おはぎ、大福、どら焼き、あんパンの人気店など、全国から集結したのはおよそ30ブランド。定番の和菓子からモダンなスイーツまで多彩に取りそろえられる中、名古屋から参戦しているのが「小倉トースト普及委員会」。小倉トースト食べ比べセット(770円)などをイートインで提供しています。大阪ではなじみのない食べ物で、しかも名古屋の有名店ではなく何やら不思議な団体による出店。主催者にはどのような意図があったのでしょうか?

あべのハルカス開業10周年を記念して開催中の「あんこときなことお茶」。10月2日(水)~8日(火)。ウイング館9階にて
あべのハルカス開業10周年を記念して開催中の「あんこときなことお茶」。10月2日(水)~8日(火)。ウイング館9階にて

「大阪人がまず思い浮かべる名古屋グルメは、味噌カツ、エビフライ、ひつまぶしなど。名古屋発祥のコメダ珈琲店以外では、大阪の喫茶店で小倉トーストを見たことはありません」とあべのハルカス近鉄本店の担当者。それでもこれをチョイスしたのは「名古屋であんこといえばやはり小倉トーストではないかと考えました。とはいえ関西のお客様にはなじみがないので、名店よりも食べ比べなど遊び心がある提供法ができるところにオファーしようと思ったのです」といいます。

「どうやって食べたら・・・?」と戸惑うお客さんも

小倉トースト普及委員会は「小倉トーストを通して名古屋めしや喫茶店文化を盛り上げたい!」という思いの下、喫茶店店主や喫茶店向け業務用パンメーカーの元社員が中心となって2023年に発足。昨年は9月10日を「愛する小倉トーストの日」(09月10日=オグトー=小倉トースト)として記念日登録し、その他に名古屋、愛知県内の喫茶店が参加するスタンプラリーなども行っています。

ひと口に小倉トーストと言っても、あんこの種類、乗せる・サンドするなどパンとの合わせ方は様々。小倉トーストの奥深さも紹介する
ひと口に小倉トーストと言っても、あんこの種類、乗せる・サンドするなどパンとの合わせ方は様々。小倉トーストの奥深さも紹介する

大阪初進出となる今回の出店の手応えを、小倉トースト普及委員会委員長の高野仁美さんにお聞きしました。

「店頭でお声がけしていると『あぁ、名古屋の!』という反応が多く、小倉トーストは大分知られているのだなという印象です。ただ、初体験の方もいらして『これは・・・手で持ってかじるの?』と尋ねられ、慎重な面持ちで召し上がられていたのでこっちもドキドキしました」

まさに「大阪人ミーツ・小倉トースト」。初めて食べる浪速っ子の期待と不安が入り交じった雰囲気が伝わってきます。また、団体名に首をかしげるお客さんも少なくないよう。

「『皆さんは何のお仕事をしている人たちなんですか?』と何度も聞かれたので、小倉トースト普及委員会という名前が怪しすぎるのかもしれません(苦笑)」(高野さん)

物販コーナーも設けて、バラエティに富んだあんこ、小倉トーストグッズ、小倉トーストに合うコーヒーも販売する
物販コーナーも設けて、バラエティに富んだあんこ、小倉トーストグッズ、小倉トーストに合うコーヒーも販売する

小倉トースト全国制覇への第一歩に(!?)

それでも「あんこは大阪の人も大好きな食べ物です!」とあべのハルカス担当者は自信をのぞかせ、高野さんも「とにかく大阪の皆さんに小倉トーストのおいしさを知ってもらえるようガンバリます!」と力強く宣言します。小倉トーストはここ数年、名古屋でもじわじわ人気上昇中。その勢いをかっての関西出店で、これを機に勢力をいっそう拡大するかもしれません。

あべのハルカス近鉄本店の「あんこときなことお茶」は10月8日まで(10~20時、最終日は15時まで。イートインはそれぞれ45分前まで)。関西の皆さんも是非、名古屋人が愛するあんこグルメ、小倉トーストを初体験してみてください!

甘いものファンが多数足を運ぶ、あべのハルカス近鉄本店「あんこときなことお茶」の様子
甘いものファンが多数足を運ぶ、あべのハルカス近鉄本店「あんこときなことお茶」の様子

(写真提供/あべのハルカス、小倉トースト普及委員会)

名古屋ネタライター

名古屋在住のフリーライター。名古屋メシと中日ドラゴンズをこよなく愛する。最新刊は『間違いだらけの名古屋めし』。2017年発行の『なごやじまん』は、当サイトに寄稿した「なぜ週刊ポスト『名古屋ぎらい』特集は組まれたのか?」をきっかけに書籍化したもの。著書は他に『サンデージャーナルのデータで解析!名古屋・愛知』『名古屋の酒場』『名古屋の喫茶店 完全版』『名古屋めし』『名古屋メン』『名古屋の商店街』『東海の和菓子名店』等がある。コンクリート造型師、浅野祥雲の研究をライフワークとし、“日本唯一の浅野祥雲研究家”を自称。作品の修復活動も主宰する。『コンクリート魂 浅野祥雲大全』はその研究の集大成的1冊。

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