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今にも蘇りそうなリアル感に心が震えた!大阪「古代メキシコ展」で”絶対に見ておきたい”ポイント

旅人間はらぺこライター

はらぺこライターの旅人間です。今回は大阪の国立国際美術館にて2月6日~5月6日まで開催している特別展「古代メキシコ-マヤ、アステカ、テオティワカン」の魅力と見所を紹介しましょう。

昨年の東京・福岡会場では延べ約42万人が来場した話題の特別展。今回の大阪会場が国内最後の開催地となる。この機会を見逃すのは勿体ない。

大阪・国立国際美術館、特別展「古代メキシコ展」

メキシコには35もの世界遺産があり、その中でもと特に高い人気を誇るのが古代都市の遺跡群。本展では「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」という代表的な3つの文明に焦点があてられている。

最大の見所は、奇跡の初来日といわれたマヤの「赤の女王レイナ・ロハ」の墓からの出土品だろう。

マヤ文明「赤の女王」とは?

ところで何故「赤の女王」と呼ばれているのか?

始まりは1994年、パレンケ遺跡の神殿で発見された女性遺体だ。一緒に埋められていた生贄やその豪華な副葬品から高貴な人物だと推測されたが当時は人物を特定できる証拠がなかったそう。

王墓の特徴があり、辰砂(しんしゃ)という真っ赤な鉱物(水銀朱)に覆われていたことから「レイナ・ロハ」(赤の女王)という異名がついたという。

その後、X線撮影、骨の切片の顕微鏡下による組織分析を含む骨鑑定、頭蓋骨からの顔の復元作業などを経て、パレンケ最盛期を築いたパカル王の王妃イシュ・ツァクブ・アハウだと断定されるに至ったのだとか。

館内を進んで行くと、ほぼ中間地点あたりだろうか。「赤の女王レイナ・ロハ」の発見に至る映像が流れ、その先にある暗く仕切られた部屋へ。すると人影が赤く浮かび上がっているかのように「赤の女王」マスクや胸飾りなどの装飾品が展示されている。ここが奇跡の対面ができる場だ。

顔に石製のマスク、全身に宝石を着飾っている姿は時を超えて今にも蘇りそうな生命感、思わず息を飲んでしまうほどのリアル感に心が震える。

マスクは完成したパズルのように孔雀石の小片で作られ、瞳には黒曜石、白目には白ヒスイ輝石岩がはめられている。その横におかれた貝の中には赤の女王をかたどった石灰岩製の「小像」が見える。

これは肉体が滅んだ後でも女王の姿と分かるように生前の姿をとどめておいたものだと考えられているのだとか。

案内パネルの説明の中に「硬質なヒスイではなく、柔らかい孔雀石を用いた、豊かな表情が特徴である」と書かれた部分がある。改めてマスクを覗き込むと、なんだか女王の人柄が少し見えたような心地になった。

スゴすぎる「古代メキシコ展」の魅力

前述の”赤の女王”の出土品は同展の第三章「マヤ 都市国家の興亡」のコーナーで見られるが、ハッキリ言うなら同展は途方もなく面白い。見て感動して楽しめるだけでなく、会場内は写真撮影OKというのも嬉しい。

もちろん、個人での利用に限る、フラッシュ撮影や三脚などの使用禁止など、ルールがあるので会場で必ず確認が必要だ。

尚、同展は4章構成されている。

第一章「古代メキシコへのいざない」
第二章「 テオティワカン 神々の都」
第三章「マヤ 都市国家の興亡」
第四章「アステカ テノチティトランの大神殿」

そして館内では地図もあり「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」とそれぞれの文明を年表と共に記すなど分かりやすくなっている。

続いて見逃してはいけないとポイントを厳選して幾つか紹介したい。やはり気になるのは、パンフレットの表紙になっている「3つの展示」だろう。

真ん中は先に紹介した「赤の女王のマスク」、左は「死のディスク石彫」、右は「鷲の戦士像」となる。

では「死のディスク石彫」について。こちらはテオティワカン文明の太陽のピラミッドから出土したもの。舌を出す頭蓋骨で鼻の穴にはナイフを差したと見られているのだそう。メキシコ先住民の世界観では日没は死、日の出は再生を意味するとされ、これは沈んだ夜の太陽を表すと考えられているそうだ。

「死のディスク石彫」
「死のディスク石彫」

続いて「鷲の戦士像」を見てみよう。

こちらは高さ170cmの大きさがあり、アステカ文明鷲のもので頭飾りを被り、羽毛や鉤爪(かぎづめ)の衣装を身に着けている。

なぜ、このような姿を?戦闘や宗教に重要な役割を担った勇敢な軍人、勇ましく戦死して姿を変えた戦死の魂、または太陽神の姿を表すなどの説があるそうだ。

古代メキシコの個性的な神々

展示品を順にみていると、古代メキシコ文明の様々な神々に興味が沸いてくる。日本とは全く異なる部分が面白いのでピックアップしてみよう。

例えば、こちらは熟したトウモロコシの女神「チコメコアトル神の火鉢(複製)」だ。メキシコの主食、トルティーヤの原料はトウモロコシである。また「人間はトウモロコシからつくられた」という創世神話もあるのだとか。

「チコメコアトル神の火鉢(複製)」
「チコメコアトル神の火鉢(複製)」

次は頭部の像だ。これは「シペ・トテック神の頭像」である。

驚くことに、これは生贄の人間の皮を身にまとった男性として表される神だという。この神は戦争と関わりがあり、支配者たちは戦いのときに人間の皮を身に着けていたそうだが、知れば少しゾッとする。

「シペ・トテック神の頭像」
「シペ・トテック神の頭像」

逆に少し癒される展示を紹介しよう。こちらは「エエカトル神像」だ。座り方に注目して欲しい。まるで「体操座り」と話題になっている。

アステカの宗教では「風」を意味するエエカトル神は生と豊穣を司る神。見た目は猿、口元を見ると鳥の特徴であるペリカンやクイナなどの”くちばし”の形になっている。なるほど、鳥なら風の神も納得できる。

左「エエカトル神像」
左「エエカトル神像」

風の神がいたら雨の神もいる。

次は「トラロク神の壺」だ。トラロク神はテオティワカンで最も重要な神とされ、農耕社会のメソアメリカでは何世紀にもわたって降雨をコントロールしようという強迫観念があったという。

祈禱、供物、子供の生贄がことごとくトラロクに捧げられていたそうだ。

「トラロク神の壺」
「トラロク神の壺」

よく知られている神話に次の話がある。それは「トラロクは4つの樽の水を水差しや壺に移し、それらをひっくり返し地表に水を届けた。水のまき方を誤った時は雷鳴が響き、容器の破片が雷となって落ちた」というものだ。

こちらの壁画「嵐の神の壁画」にもトラロク神が描かれている。

多彩食の壁画はテオティワカンの特徴で多くのアパートメント式住居群に描かれていたというが、左手には香袋、右手には背負い籠と共にトウモロコシが見える。そしてトラロク神の口から言葉か呪文を発しているのが見てとれる。嵐の前触れなのだろうか?実に興味深い。

「嵐の神の壁画」
「嵐の神の壁画」

見逃したくない個性的な出土品のオンパレード!

可愛い表情でバンザイのポーズをしているのが「トゥーラのアトランティス像」だ。ここは別の意味でも見落としたくないポイントだ。

というのも開催を記念して制作されたオリジナルグッズの中に「トゥーラのアトランティス像」をモチーフにしたショルダーバッグが売られている。その圧倒的なインパクトにきっと驚くはず。

「トゥーラのアトランティス像」
「トゥーラのアトランティス像」

ちなみに、これだ!持っていると絶対に目立つ。同じことを繰り返すが、これはショルダーバッグである。ぬいぐるみではない。気になる方は売店へ。

さて、気になる展示品はまだまだある。

こちらは発掘者に”奇抜なアヒル”と命名された「鳥型土器」だ。圧倒的な個性を感じさせてくれる。正面からだけでなく、後ろからも横からも見られるように展示されているのも嬉しい。

「鳥型土器」
「鳥型土器」

この不思議なポーズに見えるのは「球技をする人の土偶」だ。マヤの王侯貴族は厚い防具を着け、大きなゴムボールを扱っていたという。

「球技をする人の土偶」
「球技をする人の土偶」

球技をする人の土偶の横には「ユーゴ」と呼ばれる石製の球技用防具とゴムボールも展示されている。

この重い防具を実際に使って球技をしていたかは意見が分かれているそうだが、この防具を見ると球技というより格闘に近いイメージが沸いてくる。

左「ユーゴ(石製の球技用防具)」右「ゴムボール」
左「ユーゴ(石製の球技用防具)」右「ゴムボール」

とっても個性的なこちらは「猿の神とカカオの土器蓋」だ。

猿の神の像の胸元にはカカオのネックレスが見える。猿はカカオの実を好んで食べていたので、カカオと結び付けられることが多かったようだ。

「猿の神とカカオの土器蓋」
「猿の神とカカオの土器蓋」

そして、腹の上にお皿のようなモノを持つ横たわった人の像は「チャクモール像」と呼ばれている代表的な像だ。

神への捧げ物を置いたと解釈されているが、ここには生け贄から取り出した心臓を置いたとも考えられているのだとか。想像すると少し怖いですね。

「チャクモール像」
「チャクモール像」

さて、今回は主な見どころの一部を厳選しての紹介だが、とてもじゃないが語りつくせるものではありません。他にも、マヤ文字が彫られた石彫や碑文も多数出展され、生け贄が埋葬された墓からの出土品の数々…。

ぜひ、会場に足を運んでみて下さい。本当に魅力的ですよ。

あの隠れた名店のグルメも!国立国際美術館に登場

最後に、とっておきのおすすめ情報を追記しておきましょう。

それは国立国際美術館内のカフェ&レストランがとっても魅力的ってこと。お店の名前は「CAFE&LOBBY 隠::IN」という。

知る人ぞ知る大阪本町の隠れた名店『ビストロ 隠』のシェフ隠岐氏が手掛けるお店。そりゃ~美味しいワケです。

特別展「古代メキシコ」会期中は、古代メキシコにちなんだ特別メキシカンプレートが期間限定で食べられる。

このカフェ&レストランに関しては”別記事”で改めて詳しく紹介しますが、黒い自家製フラワートルティーヤ(海老とお肉)、ワカモレ(アボカドのディップ)&ナチョス、赤いポソレ(アステカ時代の伝統的な具沢山スープ)など。

とにかくクオリテ―が高い。まず野菜の鮮度にビックリするはず。思わず「期間限定やめたら?」と店主に言ってしまったほど美味しいのだ。

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特別展「古代メキシコ-マヤ、アステカ、テオティワカン」
期間:2月6日~5月6日(月・振休)
会場:国立国際美術館(大阪市北区中之島4-2-55)
開館時間:午前10時~午後5時 毎週金・土曜日は午後8時まで 
※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日 ※ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・振休)は開館
入場料:一般2,100円など
※中学生以下無料(要証明)
※大学生・高校生の方は証明できるものをご提示ください
お問合せ:06-6447-4680(国立国際美術館)
公式ホームページ(外部リンク)
地図(外部リンク)
取材協力:国立国際美術館

はらぺこライター

旅行好きのライター。各地に伝わる伝説や民話、古くから地元で大切にされているモノを親しみやすく紹介したい|地元で人気の食堂やレトロな喫茶店巡り|”思わずクスッと笑ってしまうような”珍スポット探し|目標は個性的でヘンテコな旅本の出版|フォローして頂けたら嬉しいです。

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