“ちいたんたん”を飲まずに盛岡じゃじゃ麺を語るなかれ!世界にひとつだけ、自分のためだけの極上スープ
先日、盛岡駅で「じゃじゃ麺」を食べました。うどんに肉味噌を混ぜたのが、盛岡市民のソウルフード「じゃじゃ麺」なのかと思ったら、実は〆の“ちいたんたん”までが「じゃじゃ麺」でした。“ちいたんたん”は完全に自分ひとり用のオリジナルスープ。今後私は“ちいたんたん”飲みたさに、じゃじゃ麺を食べることでしょう。それほど絶品でした。
盛岡じゃじゃ麺発祥のお店「白龍(パイロン)」
うどんのような麺に辛めの肉味噌ときゅうり、葱が乗った「盛岡じゃじゃ麺」。「盛岡冷麺」、「わんこそば」とともに盛岡三大麺に数えられています。
中華麺に肉味噌をかけた中国の炸醤麺(ジャージャー麺)を、盛岡の人の味覚にあわせてアレンジしたのがじゃじゃ麺。発祥のお店「白龍本店」は、盛岡駅から車で5分ですが、盛岡駅直結のフェザン1階 おでんせ館でも食べることができます。
お店の前には行列ができていましたが、麺料理なので回転は早く、30分弱の待ち時間で入店できました。
ちいたんたんは必ずオーダーすべし!
メニューは、じゃじゃ麺と餃子。そしてドリンク。じゃじゃ麺(中)で麺は400gもあります。女性は300gの小で十分お腹いっぱいになりそうです。
列に並んでいる間に注文を聞きに来てくれるので、「じゃじゃ麺小で」とお願いしました。間髪入れずお店のおばさんが「ちいたんたんは?」と。
確かにメニューに、ちいたんたんあります。50円です。
でも、聞いたのははじめてです。
「ちいたんたんって何ですか?」と尋ねると、「お客さん初めて?ちいたんたんは最後に卵を溶いて飲むスープだよ」とのこと。
なんだかわかりませんが、50円だし、追加でオーダーしました。まわりの人も、同じようなやりとりをしています。もしくは、最初からちいたんたんも一緒にオーダーしています。リピーターなのでしょう。
とにかく、じゃじゃ麺はちいたんたんもセットにするのが正しい頼み方のようです。
盛岡じゃじゃ麺(小)560円。やっす!!
自分でカスタマイズする盛岡じゃじゃ麺
テーブルに案内されて、数分でじゃじゃ麺が運ばれてきました。
食べ方はお店のおばさんが教えてくれます。
うどん状の麺の上には肉味噌。ひき肉だけじゃなく椎茸なども入った秘伝の肉味噌。太めに切ったきゅうりと葱も乗っています。
お皿の横には、おろし生姜と紅生姜のかたまり。
かたまり?!
一瞬、明太子かなにかかなと思ったら、紅生姜がそのままコロン。薄切りや千切りはあるけど、“個”の紅生姜。なんて大胆!
食べ方は、薬味以外すべてを混ぜ合わせます。
まずは、そのままひと口。
あとはテーブルの上の調味料、味噌、お酢、ラー油などを混ぜて、自分好みの味にカスタマイズしていただきます。
途中おろし生姜を混ぜてみたり、お酢をかけてみたりと、いろんな味が楽しめました。
紅生姜もいい箸休めになります。
ほとんど食べたところで麺をひと口分残し、謎のちいたんたんへ。
〆のスープちいたんたん
お店のおばさんも優しく作り方を教えてくれますが、テーブルのメニューにもちいたんたんの作り方が書いています。
テーブルの上の生卵をまず1個。
じゃじゃ麺の器に割りほぐします。
この状態でお箸ごと、おばさんに渡します。
器に麺のゆで汁と味噌、葱が追加されて戻ってきます。
これが、ちいたんたんです。
味は薄めなので、こちらも自分でカスタマイズ。いろんな味が混じりあって、なんとも複雑でコクのあるスープです。麺のゆで汁が、こんな絶品スープになるなんて!
簡単にいえば、そば湯のじゃじゃ麺版ですが、こちらの方が具もあって豪華(笑)
自分の食べ残しにスープを足すので、他の人のちいたんたんは飲めないのですよ。ちいたんたんを飲むためには、自分でじゃじゃ麺を食べるしかないのです。
多分、隣のテーブルの人が飲んでいるちいたんたんも、その隣のカップルが飲んでいるちいたんたんも、全部同じようで微妙に違う味。そう考えるとおもしろいですね。
盛岡じゃじゃ麺は、ちいたんたんまでが盛岡じゃじゃ麺です。
ぜひ、盛岡に行ったら食べてみて下さいね。
白龍 フェザン店
所在地 岩手県盛岡駅前通1 盛岡駅ビル フェザン1F おでんせ館
TEL 019-623-5167(フェザン店)
営業時間 11:00~21:30(LO 20:30)
定休日 無休
公式ホームページ 元祖じゃじゃ麺 白龍(外部リンク)