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三陸鉄道の被害状況について

鳥塚亮大井川鐵道代表取締役社長。前えちごトキめき鉄道社長
築堤が流され宙づりになった三陸鉄道の線路(三陸鉄道Facebookより)

岩手県の三陸鉄道がまた大きな被害を受けてしまいました。

先週の台風19号では各地で大変な被害が発生してしまいましたが、三陸鉄道でも大きな被害が出ました。

この3月に旧JR山田線区間だった釜石-宮古間の復旧が終わり、それまでの南リアス線(盛-釜石)と、北リアス線(宮古-久慈)がつながって、盛-釜石-宮古-久慈の全163kmが全線開通したばかりの三陸鉄道ですが、今回の台風19号ではそのJRから引き継いだ旧山田線区間の釜石-宮古間を中心に、何と全線数十か所で線路に被害が発生し、一部区間を除いて列車が走れない状況になっています。

三陸鉄道ホームページの「リアス線」路線図。
三陸鉄道ホームページの「リアス線」路線図。

筆者は三陸鉄道の中村社長さんとは以前から懇意にさせていただいておりまして、全線開通時にもニュースを書かせていただきました。

三陸鉄道特別列車運転のお知らせ。(2019年5月29日)

この記事の中で、中村社長さんはラグビーワールドカップの釜石開催や、オリンピック以降を見据えた大きな夢と戦略をお持ちだと語っていただきましたが、その中村社長さんから今回の台風19号によって大きな被害を受けた個所の写真が送られてきましたのでご紹介いたします。

釜石-両石間 線路への土砂流入
釜石-両石間 線路への土砂流入
釜石-両石間 路盤の土砂崩壊
釜石-両石間 路盤の土砂崩壊

釜石-両石間というと、両石駅の次の駅が鵜住居(うのすまい)駅ですから、サッカーワールドカップの観戦でご利用になられた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そのワールドカップの釜石での試合が終わった直後にこの被害ですから、本当に心が痛みます。

織笠-岩手船越 築堤崩壊箇所 線路が宙づりになっています。
織笠-岩手船越 築堤崩壊箇所 線路が宙づりになっています。
津軽石-払川間 路盤流出 車が線路に流されてきています。
津軽石-払川間 路盤流出 車が線路に流されてきています。
田老-摂待間の土砂流入 トンネルの入口がふさがってしまいました。
田老-摂待間の土砂流入 トンネルの入口がふさがってしまいました。
久慈-白井海岸での路盤流出
久慈-白井海岸での路盤流出

大きな被害を受けた個所は建設年代が古い旧山田線区間に集中しているようですが、旧北リアス線区間の田老-久慈間でも何か所も発生しているようです。

東北地方まで進んでも台風の力が大きかったことがわかります。

三陸鉄道では現在、釜石-宮古間、田老-久慈間でバスによる代行運転が行われています。

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▲三陸鉄道 釜石-宮古間 代行バスダイヤ。

田老-久慈間では田老駅で列車に接続する代行バスが運転されています。

詳細につきましては 三陸鉄道ホームページ 宮古-久慈間 列車・代行バス時刻 にてご確認ください。

三陸鉄道義捐金受付開始

今回の被害を受けて、三陸鉄道は義捐金(寄付金)募集を開始しています。

北陸新幹線や東北新幹線なども大きな被害を受けていますが、資金力が豊富なJR各社はともかくとして、経営規模の小さな地方鉄道ではこのような災害が発生するとそれこそ命取りにもなりかねません。

幸い、三陸鉄道では中村社長さんはじめとして、スタッフ総出で復旧作業に取り組まれていて、何としてでも、1日も早く復旧させるぞという強い意志を感じます。

そんな頑張っている会社さんに、私たちとしてできることは、何があるか。

そう考えた時に、筆者も鉄道会社の経営者として、「やっぱり義捐金だろうな。」と思います。

なにしろ「先立つもの」が必要ですから。

とはいえ、一人一人の皆様方の力は小さいかもしれません。

そんな金額ではどうにもならないと思われるかもしれませんが、三陸鉄道の皆様方にとっては大きな励ましになると思いますし、大きな力になると思います。

そして、そういう力が、一つのムーブメントとなって、さらに大きな力を引き出すことになるのではないでしょうか。

何か力になりたい。

そういうお気持ちの方は、ぜひ、ご支援をお願いしたいと思います。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

【三陸鉄道義捐金送金方法】

・銀行振り込みの方

岩手銀行 宮古中央支店

普通預金

口座番号 2105683

口座名 三陸鉄道株式会社 代表取締役社長 中村一郎

・現金書留の方

〒027-0076

宮古市栄町4 三陸鉄道株式会社

TEL 0193-62-8900

FAX 0193-63-2611

Mail : info@sanrikutetsudou.com

詳細につきましては 三陸鉄道ホームページ にてご確認ください。

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10月12日に開催された三陸鉄道車両基地まつり。

たくさんのちびっ子たちに夢を与えるおまつりでした。

まさか、この後すぐに大きな悲劇が待っていようとは、誰も想像すらできませんでした。

皆様方の三陸鉄道への温かなご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

※写真はすべて中村社長さん撮影、三陸鉄道提供です。

大井川鐵道代表取締役社長。前えちごトキめき鉄道社長

1960年生まれ東京都出身。元ブリティッシュエアウエイズ旅客運航部長。2009年に公募で千葉県のいすみ鉄道代表取締役社長に就任。ムーミン列車、昭和の国鉄形ディーゼルカー、訓練費用自己負担による自社養成乗務員運転士の募集、レストラン列車などをプロデュースし、いすみ鉄道を一躍全国区にし、地方創生に貢献。2019年9月、新潟県の第3セクターえちごトキめき鉄道社長、2024年6月、大井川鐵道社長。NPO法人「おいしいローカル線をつくる会」顧問。地元の鉄道を上手に使って観光客を呼び込むなど、地域の皆様方とともに地域全体が浮上する取り組みを進めています。

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