全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今日は『ウチは２気筒でいく！ヤマハのポリシーから生まれたナナハン』をテーマにお話ししようと思います。

70年代のナナハン(750cc)ブームを沸かせたホンダ『CB750FOUR」とカワサキ『750RS』(Z2)。

CB、Z、そして少し後に現れたスズキの『GS750』は皆、並列４気筒エンジンでナナハン戦線を戦っていました。

(日本のバイクファンの“４気筒好き”はこの時代から始まったものでしょう)

しかし、日本四強のうちヤマハだけは、４気筒を選びませんでした。

ヤマハが初めて作ったナナハン『TX750』は、２気筒エンジンを搭載していたのです。

CBやZが４気筒でブイブイ言わせるなか、なぜヤマハは２気筒を採用したのか。

それは、ヤマハがスペックよりも親しみやすさを大切にしていたから。

当時は750ccという排気量も４気筒エンジンも、多くの一般ライダーにとって得体の知れないモノでした。

一方２気筒エンジンは、イギリスのオートバイを中心にメジャーな存在で、世間的にもすでに馴染みのある存在。

得体の知れないバケモノを作るか、それとも親しく接することができる相棒を提供するか…。

ライダーの感覚に重きをおくヤマハがチョイスしたのは、フランクに付き合える相棒の提供でした。

「大型バイクを気軽に味わってほしい」

その思いから生まれたのが、TX750だったのです。

結局のところ４気筒勢を凌駕することはできなかったものの、TX750はヤマハのポリシーが余すことなく落とし込まれたオートバイだったといえるでしょう。