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【山梨/大月】桃太郎がサルと出会った場所は”奇矯”と呼ばれる不思議な橋が架かる美しい渓谷だった!

旅人間はらぺこライター

はらぺこライターの旅人間です。誰もが知ってる「桃太郎」の物語。「桃太郎さん 桃太郎さんお腰につけた キビ団子 一つわたしに下さいな」そう言って鬼退治にお供したイヌ、キジ、サル。

桃太郎がサルと出会ったと伝わる場所は山梨県大月市にあり「猿橋」と地名になっている。そこに架かる橋は珍しく、日本三奇橋の一つと言われている。今回はそんな内容を紹介しましょう。

まずは「桃太郎伝説」の地名から…

大月市の桃太郎伝説は面白い!まずは大月桃太郎伝説の地名を意識して物語を見てみて欲しい。特に「イヌ・キジ・サル」に注目したい。

<大月桃太郎伝説>

昔むかし、おばあさんが「桂川」で洗濯をしていると、どんぶらこどんぶらこと大きな桃が「百蔵山(ももくらやま)」の麓から流れてきたという。

そして、その桃から生まれたのが「桃太郎」というのが大月市に伝わる桃太郎伝説の始まりだ。

そして「鶴島」にて成長した桃太郎は、「岩殿山」に住む赤鬼の退治に出かけた。道中キビ団子をあげ、「犬目」でイヌを、「鳥沢」でキジを、「猿橋」でサルを家来にする。激闘のすえ、攻撃に耐えかねた鬼は逃げ出し、隣の「徳厳山」に足をかけると股が裂けてしまった。

「日本三奇橋」とは…

今回紹介するのは、桃太郎がサルと出会ったと伝わる「猿橋」だ。ここには実際に橋が架かっているが「猿橋」は地名にもなっている。

この角度から見ると普通の橋に見えるが…

ここは桂川の渓谷に架かる橋で絶景が見られる。そして国の名勝でもあり、「日本三奇橋」の一つとしても知られている。

日本三奇橋は江戸時代に築かれた独創的な橋で、特定の選者がいるわけではないらしい。一般的には「猿橋(山梨県大月市)」「錦帯橋(山口県岩国市)」「愛本橋(富山県黒部市)」とされる。しかし愛本橋は当時の姿で現存していない。

では、改めて大月市「猿橋」を見てみよう。

深い峡谷に架かる「猿橋」は、安藤広重『甲陽猿橋之図』や十返舎一九の『諸国道中金之草鞋』などで描かれている。

その特徴は、岸の岩盤に穴を開け、刎木(はねぎ)を斜めに差し込み川の上に突き出し、四層の刎木によって橋を支えているという。要するに、谷が31mと深く橋脚が建てられないので、橋脚を使わずに両岸から張り出した刎木によって橋を支えているというワケだ。

尚、現在は1851年の橋を復元したもので、基盤をコンクリートで固め1984年に架け替えられたものだそう。

近くで見ると、その景観に圧倒させられる。

屋根付き刎木(はねぎ)を重ねた上に橋桁が載せられている。なんて不思議な形をしているのか…。

また推古天皇の時代(600年頃)、猿が弓のように連なって橋をつくり谷を渡っていた様子からヒントを得て、それが猿橋の名前の由来とも言われている。

他にも、こんな話も残っている。それは大正時代に猿橋の近くにあった「旅館 桂川館」では “桃太郎もち” が販売されていたというのだ。

これは現在確認できる桃太郎をモチーフにした最古のお菓子だとされている。ちなみに、現在は桂川館は存在していない。

「旅館 桂川館」 “桃太郎もち”
「旅館 桂川館」 “桃太郎もち”

猿橋の名前の由来は、桃太郎伝説から来ているのか?それともサルが弓のように連なって橋をつくり谷を渡っていた様からか?よく分からない。

分からないが、この付近には勇敢なサルが存在していたようだ。鬼退治のお供も、谷を渡るのも度胸がないと出来ない。

尚、猿橋の目の前にある「大月市観光協会 猿橋大黒屋」では可愛らしいサルの顔をしたクッキー「さるっキー」が売られている。人気があってスグに売り切れてしまうそうなので、気になる方は早めの時間帯に行くのがおすすめだ。

今回は大月市に伝わる桃太郎伝説から「猿橋」を紹介した。

この物語では「犬目」でイヌを、「鳥沢」でキジを、「猿橋」でサルを家来にしている。これらの地域に関しては「過去の記事」で紹介しているので気になる方は参考に見て下さい。伝説をテーマに各地を巡るのは面白いですよ。

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猿橋
住所:山梨県大月市猿橋町
大月市観光協会のサイト(外部リンク)
地図(外部リンク)

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はらぺこライター

旅行好きのライター。各地に伝わる伝説や民話、古くから地元で大切にされているモノを親しみやすく紹介したい|地元で人気の食堂やレトロな喫茶店巡り|”思わずクスッと笑ってしまうような”珍スポット探し|目標は個性的でヘンテコな旅本の出版|フォローして頂けたら嬉しいです。

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