【速報】北陸新幹線で試験走行開始!各地での歓迎の様子をレポート
2015年春に長野〜金沢間の延伸開業が予定されている北陸新幹線。すでに多くの区間で高架橋やトンネルなどが出来上がり、そこで活躍する新型車両・E7系も今年10月に完成するなど、着々と準備が進められている。
(E7系の海上輸送の様子はこちらの記事を参照)
そんな中、2013年12月2日にJR東日本の新幹線試験車両「East i」が長野〜黒部宇奈月温泉間を走行。ついに延伸区間へ列車が入線した。その模様をお届けしよう。
延伸区間をを初めて走る試験列車「East i」の入線に合わせて、各駅では歓迎セレモニーを実施。糸魚川駅では、関係者や抽選で選ばれた市民など、約150名が開業前の新幹線ホームで出迎えた。受付会場には糸魚川駅舎とE7系の模型も展示されており、期待が高まる。主催者の挨拶、注意事項のアナウンスがあったあと、いよいよホームへ移動だ。
糸魚川駅は新幹線駅の建設に合わせて在来線部分も橋上駅として一体整備され、この前日の12月1日より供用開始となったばかりである。真新しいコンコースを抜け、壁の向こう側、工事中の新幹線コンコースを上がってホームへ。予定より少し遅れた12:20ごろ、関係者のくす玉割りとともに大きな拍手がわき起こる中、「East i」がゆっくり入線した。
糸魚川駅でしばし休憩の後、「East i」は13:13に発車。時速30キロでゆっくりと西に向かって進んで行く。糸魚川駅西方の姫川堤防では、鉄道ファンや地元の人たちが詰めかけた。
途中、各所で停車し軌道・信号等のチェックをしながら、14:40ごろに富山県へ。ついに新幹線が北陸3県に足を踏み入れた。新潟県と接する富山県朝日町では「北陸3県で初めて新幹線が見られる町」として、沿線で市民ら約100人が横断幕で歓迎。朝日町のご当地ヒーロー「マメレンジャー」も集結し、市民とともに手を振った。
その後も試験列車はゆっくりと、しかし着実にその役目を果たし、15:30ごろ無事に黒部宇奈月温泉駅へ到着。入線に合わせて花火が打ち上げられたほか、ホームに入線する様子が駅前広場の特設ビジョンで放映され、集まった大勢の市民が一斉に到着を祝った。
開業まで1年3ヶ月というこのタイミングでの試験走行は、豪雪地帯を走る飯山〜黒部宇奈月温泉間での「雪」対策をより確実なものとし安全に運行できるよう、その準備にふた冬をかけることになったからである。今冬は「East i」による試験走行に続いてE2系・E7系も走行し、雪中走行時の各種データを収集。ここでの経験や対策をフィードバックし、来冬での最終確認を経て2015年春の開業に備えるのだ。E7系は試験走行の後、来年春から東京〜長野間の「あさま」に先行投入される予定で、一足先に北陸新幹線の雰囲気を味わうことができる。
一方、黒部宇奈月温泉〜金沢間での試験走行は来年夏の予定。延伸開業に向けいよいよカウントダウンの始まった北陸新幹線、これからが楽しみだ。