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新宿駅から特急あずさ号が「1日1本だけ」直通! 謎の終着駅、長野県の南小谷駅には何がある!?

鉄道乗蔵鉄道ライター
南小谷駅手前の渓谷を堂々の9両編成で走行する特急あずさ5号(筆者撮影)

 2025年3月ダイヤ改正で、新宿―南小谷間295.2kmを結ぶ特急あずさ5号の運転区間が新宿―白馬間に短縮される。こうしたことから筆者は、新宿―南小谷間を特急あずさ5号で乗り通したことについては記事(3月改正で消滅!1日1本だけ運行「南小谷行」特急あずさ号 新宿駅から4時間かけ全区間を乗り通してみた)でも詳しく触れているが、新宿駅から直通できる長野県の山奥の謎の終着駅南小谷駅にはいったい何があるのか、実際に南小谷駅で途中下車して周辺を散策してみた。

南小谷駅前にあった案内地図(筆者撮影)
南小谷駅前にあった案内地図(筆者撮影)

 大糸線南小谷駅のある長野県北安曇郡小谷村は、姫川沿いの渓谷に小さな市街地が開けた人口2,400人余りの村である。松本―糸魚川間105.4kmを結ぶ大糸線は南小谷駅を境に電化区間と非電化区間に分かれており、電化区間となる松本―南小谷間はJR東日本、非電化区間となる南小谷―糸魚川間はJR西日本の管轄となっている。なお、南小谷駅の開業は1935年(昭和10年)で、信濃大町駅から糸魚川に向けて建設が進められていた大糸南線の信濃森上―中土間の延伸開業に伴って開業した。大糸線の南小谷駅までの電化は1967年(昭和42年)に完成し、1982年(昭和57年)に特急あずさ号の南小谷駅までの定期乗り入れが始まった。

 筆者が、新宿からの特急あずさ5号で約4時間かけて南小谷駅へ到着したのは11時59分のこと。乗車券は、新潟駅まで購入していたことから、このまま12時7分発の糸魚川行に乗り換えるか、いったん南小谷駅で途中下車して駅前を散策するか迷ったが、改札口にいた駅員さんに話を聞いたところ、駅から歩いて10分ほどのところに食事ができる物産館があるということだったので、ここで途中下車することを決心した。12時7分発の次の糸魚川行は、14時43分発となる。

小谷村市街地側から見た南小谷駅。特急あずさ号の長さが際立つ(筆者撮影)
小谷村市街地側から見た南小谷駅。特急あずさ号の長さが際立つ(筆者撮影)

 南小谷駅は、市街地から姫川を挟んだ対岸に立地しており、小谷村の市街地には駅前の国道148号の橋を渡って向かうことになる。橋を渡ると道路沿いには住宅などが立ち並び小さな市街地を形成していた。小谷村の市街地側から南小谷駅のほうを眺めてみると、姫川の対岸にある南小谷駅に停車中の9両編成の特急あずさ号の姿を見ることができた。この特急あずさ号は3時間ほど南小谷駅のホームに留め置かれ、15時発の特急あずさ46号として再び新宿駅に向けて折り返す。

小谷村の市街地にある「おたり名産館」と「小谷村郷土館」(筆者撮影)
小谷村の市街地にある「おたり名産館」と「小谷村郷土館」(筆者撮影)

 再び国道148号を糸魚川方面に向かって歩いていくと、道路上に「おたり名産館」と「小谷村郷土館」の看板が見えた。小谷村郷土館のほうは冬季休業中で営業していなかったが、おたり名産館のほうは営業中で、店舗前の駐車場には練馬ナンバーの車が止まっており、観光客の来訪もあるようであった。小谷村はクマ料理が名産のようで、店内ではクマ汁やクマカレーなどが提供されていたが、筆者は無難なところでかつ丼そばセットを注文して昼食とすることにした。そして、昼食後は、小谷村観光連盟が入居している小谷村役場庁舎に立ち寄り、観光パンフレットをもらった後、再び徒歩で南小谷駅へと戻ることにした。

 乗り鉄目的で、南小谷駅で途中下車する場合には、「おたり名産館」「小谷村郷土館」「小谷村観光連盟」が徒歩圏内で来訪可能なスポットであるが、小谷村郷土館は冬季休業、小谷村役場庁舎も平日のみの開庁となっているので、駅周辺を散策する場合にはこれらに留意しながら計画を考える必要がありそうだ。

南小谷駅から徒歩圏内にある小谷村役場庁舎(筆者撮影)
南小谷駅から徒歩圏内にある小谷村役場庁舎(筆者撮影)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。ステッカーやTシャツなど鉄道乗蔵グッズを作りました。

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