3月改正で消滅!1日1本だけ運行「南小谷行」特急あずさ号 新宿駅から4時間かけ全区間を乗り通してみた
新宿駅から1日1本だけ運行される南小谷行の特急あずさ5号が3月のダイヤ改正で、運転区間が白馬駅までに短縮される。南小谷行の特急あずさ号は2020年3月改正までは千葉駅が始発であったが、新宿駅始発に運転区間を短縮。そして2025年3月改正では、終着駅が南小谷駅から白馬駅に変更され、さらに運転区間が短縮される。現在の特急あずさ5号は、新宿―南小谷間295.2kmを3時間59分かけて結んでおり、筆者は実際に全区間で乗り通してみた。
南小谷行の特急あずさ5号は新宿駅9番ホームから発車する。発車時刻は8時ちょうどであるが、列車の入線は意外にも早く7時38分ころにはホームへと停車していた。しかし、車内整備が行われるということで、実際に乗車できるようになったのは、7時50分ころであった。特急あずさ5号は基本編成9両に増結編成3両を連結した12両編成での運行だったが、この日は新宿発の時点で満席という案内放送がしきりに流れていた。特急あずさ5号は新宿駅を発車すると中央本線と篠ノ井線を通り松本へ。松本駅では付属編成の3両を切り離して、基本編成の9両が大糸線に乗り入れて白馬駅を通り、終点の南小谷駅へと向かう。
筆者が乗車したのは平日朝の列車ということもあり、ビジネス客が多くみられたが、大型のスーツケースを抱えたインバウンド旅行者も見られた。新宿駅を発車すると、都内は立川駅と八王子駅に停車。筆者が乗車した車両は、八王子駅ですべての座席が埋まってしまった。そして、甲府駅を過ぎると中央本線の各停車駅で下車する乗客が目立ち始め、松本駅には10時37分に到着。ここまでに半分以上が降りて行った。松本駅では4分停車し、付属編成の後方3両を切り離した。ここから大糸線に入るが、新宿―松本間225.1kmを2時間37分で走破したのに対して、松本―南小谷間70.1kmには1時間18分の時間を要し、大糸線内では列車の速度はガクンと落ちる。
松本駅から大糸線内に直通する乗客は、大半が大型のスーツケースを抱えたインバウンド旅行者で、車内での会話を聞いていると中国系が多い様子であった。大糸線内で一番大きな街となる長野県大町市の中心駅、信濃大町駅を過ぎると車窓は一気に雪景色となった。列車は仁科3湖と呼ばれる木崎湖、中綱湖、青木湖のすぐ脇を通り白馬駅へ。白馬ではほとんどの乗客が下車してしまい、筆者が乗車していた4号車では乗客が筆者のみとなってしまったが、終点の南小谷駅に到着すると9両編成の列車からは総勢40名ほどの乗客が降りていたのは意外であった。しかし、ダイヤ改正以降に運転区間が白馬駅まで短縮されることから、南小谷駅を訪問する乗客にどのような影響が出るのか気がかりなところである。
南小谷駅で下車した乗客のうち3分の2ほどはそのまま糸魚川行の普通列車に乗り換えていったが、残りの3分の1ほどは南小谷駅で下車していった。筆者は、そのまま糸魚川行に乗り換えるか、南小谷駅で下車するか迷ったが、改札の駅員さんに聞いたところ駅から10分ほど歩いたところに、食事ができる物産館があると教えてもらうことができたので、途中下車することを決めた。
(了)