昭和の雰囲気が漂う名店は、子供の頃から馴染みある一杯。博多の変わらぬ味は、親子二代に愛されて。
平成元年創業
福岡の街で、「福一ラーメン」といえば昔はいろんなところにあるお店でした。そもそもの発祥や詳しい歴史はわかりませんが、現在も5店舗ほど点在しています。福岡人の中には、子供の頃は〈ラーメンといえば福一〉〈近所にあってよく食べに行った〉と言う人も多く、子供の頃から馴染みある一杯というお店です。
その中のひとつ、「福一ラーメン 博多駅前店」は、博多駅から徒歩圏内、アクセス抜群の場所にあります。近所には商工会議所をはじめオフィスビルも多く、サラリーマンをはじめランチタイムは大賑わいです。平成元年創業ですから、もう30年以上この場所で愛されてきた老舗の名店ですね。
店内はカウンター席のみで、昭和の雰囲気が漂います。博多駅周辺の繁華街でもある場所で、ふと懐かしく思い出す哀愁漂うラーメン屋さん。メニューは豚骨ラーメン一本で、いろんなトッピングメニューが揃います。そんな昔ながらのラーメンをいただいてみました。
ラーメン(生卵トッピング)
ノーマルのラーメンにポトリと生卵を落とした最近流行のマイブーム。この生卵を食べ進める途中でレンゲの上で溶きながら箸休め。麺を絡めながらいただくのが美味しいのです。そんな月見ラーメン(勝手に言ってますが)、デフォのネギやチャーシューも王道のトッピングです。
昔ながらでシンプルな味わいの、サラッと感が美味しい豚骨。塩味もいい感じに広がります。濃度は控えめながらもカエシの味わいがしっかりとしています。これが博多の伝統のラーメン。シャキシャキのネギも美味しい。
中細サイズのストレート麵。こんなさっぱりとした豚骨スープには、パスッとした歯切れ良い食感が良く似合う。硬めでいただくのがおススメです。
ワンタンメン
昔ながらの博多ラーメンにはやっぱりワンタンでしょ、と個人的に大好きなワンタンメン。さっぱりとした博多豚骨はワンタンメンこそ美味しい。たっぷりのワンタンが浮かぶシルエット。ネギもたっぷりなのも嬉しい。
自家製のワンタンはひとつひとつが大きくて、トゥルントゥルンの仕上がりです。トロりとした皮に包まれた餡はジュワっと肉汁溢れます。スープの味と絡んでさらに美味しい。あっさり昔ながらの博多豚骨とワンタンは、本当に相性がいい。
のりラーメン
これが驚きの一杯。のりラーメンなのですが、なんと韓国海苔がまるごと1枚ラーメンの上に乗っている。これは見たことない斬新なデザイン。普通は丼の縁に何枚か飾られたり、スープに浮かぶのが一般的だと思いますが、丼を覆うように大きなのりが一枚トッピングされています。
横から見てもこのビジュアル。スープが見えないほどに。しかしちゃんと、ネギやチャーシューはのりの上にトッピングされている。このあたりは、しっかりと見た目のバランスも考えられているのだなぁと感じます。
いつもとかわらぬ美味しいスープ。そこに韓国海苔を浸していくと、塩味の効いた油感もある韓国海苔の独特の味わいがスープに広がる。この韓国海苔がスープに交わるとアクセントが加わり、また違う味わいになるのが美味しい。
のりの隙間から麺を持ち上げる。もちろん麺とスープとのりの味わいのバランスも最高。見事に味がマッチしている、これがのりラーメンです。よく味の絡みを考えた、さすがの一杯です。
シンプルでさっぱりとした豚骨スープは、当然ながら完食です。飲み干したなら、年季の入った丼のシルエットも歴史を感じますね。
商売の神様、十日恵比寿神社が飾られたカウンター内。卓上にはラーメンのタレやニンニク、コショウにお漬物など。ラーメンと白飯、それだけで博多の味わいを楽しめるのが博多の伝統。時が流れても変わることない博多の味わい。子供の頃に馴染みある味わいは親子二代に引き継がれ、親子で訪れるお客さんも多いのが、福一ラーメンの魅力と歴史ではないでしょうか。
福一ラーメン 博多駅前店
住所:福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目10−12
ハイラーク博多駅前ビル 1F
営業時間:月~金11時00分~14時30分
18時00分~22時00分
土曜日11時00分~14時30分
定休日:日曜日
駐車場:近隣有料